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税務調査官「この車でどうやって取引先をゴルフに送迎するのですか?」…50代社長が経費計上を否認された〈社用車〉の正体【税理士が解説】

税務調査官「この車でどうやって取引先をゴルフに送迎するのですか?」…50代社長が経費計上を否認された〈社用車〉の正体【税理士が解説】

ベンツやレクサス、フェラーリにポルシェ。世の中の「社長」と呼ばれる人たちは、新車価格1,000万円超の高級車を所有していることも珍しくありません。ただ、彼ら・彼女らが高級車を所有する理由のひとつに「節税目的」があるようです。とはいえ、すべての車が経費にできるかというと、当然そうではないようで……。税理士法人グランサーズの共同代表で公認会計士・税理士の黒瀧泰介氏が「賢い車の買い方」と「購入する車の注意点」を解説します。

車は個人名義より「法人名義」で買うべき理由

利益が出ている会社であれば、車は個人で買うよりも会社(法人名義)で買ったほうが、キャッシュフローの観点からは断然有利です。

個人で車を購入する場合、その費用は所得税や住民税、社会保険料などが差し引かれた「手取り」から支払うことになります。

一方、法人で購入する場合、これらの税金が引かれる前の“フルパワーのお金”を使うことができるのです。

このルールの違いを理解していないと、非常に“もったいない買い方”をしてしまう可能性があります。

名義が違うだけで、会社のキャッシュアウトは「2倍」変わる

たとえば、ある会社の社長Aさんが、個人で1,000万円の車を購入するケースを考えてみましょう。

この場合、費用は役員報酬(手取り)から支払うことになります。仮にAさんの税率が50%だとすると、手元に1,000万円を残すためには、税金分を含めて会社から2,000万円の報酬を受け取る必要があります。

つまり、1,000万円の車を手に入れるために、会社は2,000万円のキャッシュを用意し、残りの1,000万円は税金や社会保険料として国に納めている計算になるのです。

一方、Aさんが「社用車」として法人名義で1,000万円の車を購入する場合、その費用は会社の経費として処理されます。経費は税金を計算する前の利益から差し引かれるため、会社のキャッシュアウトは1,000万円で済むのです。

これだけでも、法人で車を購入するメリットが非常に大きいことがわかるでしょう。

社長が車を所有する購入以外の選択肢

車の所有方法について購入だけがすべてではありません。最適な選択肢は、会社の成長フェーズや利益状況、資金繰りによって異なります。

それぞれの経営者タイプに対するおすすめの車の買い方について、詳細は割愛しますが、ざっくりと[図表]のとおりです。

出所:著者作成 [図表]経営者タイプ別、最適な車の買い方とそれぞれのメリット 出所:著者作成

「フェラーリ」は社用車になる?

では、どんな車でも「社用車」として経費で購入することは可能なのでしょうか?

たとえば、フェラーリやベンツのような高級車であっても、経費として認められるのでしょうか。

実をいうと、無条件ではありません。のちに税務調査で否認されないためには、「事業のために必要な支出であった」という大義名分を客観的な事実として示す必要があるのです。

実際、過去には、ある50代の経営者Bさんが2人乗りのスポーツカーを社用車として経費で落とそうとしたところ、税務調査官から「この車でどうやって取引先をゴルフに送迎するのですか?」と指摘され、経費として認められなかったケースも存在します。

事業との関連性を説明するためには、「取引先の送迎」や「接待」など、業務上の利用目的が納得されやすい車種を選ぶとよいでしょう。

また、車の使用状況を日報などに記録しておくと、事業との関連性を裏付ける重要な証拠となります。

車の購入は節税の入り口ですが、購入時から「出口」も見据えておくことで、より賢い活用が可能になるでしょう。

黒瀧 泰介

税理士法人グランサーズ共同代表/公認会計士・税理士

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