◆相次ぐ違法建築&伐採に水資源トラブルまで勃発
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6月、行政は羊蹄山の麓にある倶知安町巽地区で無許可で3.9haもの森林伐採を行ったとして、札幌の不動産会社に工事の停止を勧告した。
また10月にはニセコ町に建てられた賃貸用のアパートが無許可で増築され、あろうことか下水管にも接続していないことが判明し、こちらの事業者にも行政は工事の停止と使用禁止を勧告。
この2件とも主導していたのは中国資本だったことから、地元民の外資アレルギーに拍車をかけているのだ。
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◆現状に対する制度づくりの努力が不足している
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「外国人に買われた土地の地下に流れる水源も彼らのものになる。日本から水が奪われる」という類いの主張だ。だが、ニセコの現場を知る不動産関係者は、一刀両断する。
「水源の問題で言えば、ニセコ町は日本企業から土地の所有権を巡って多額の和解金を吹っかけられており、『外資だから』『中国だから』と批判するのは安直すぎます。問題の核心は、外資が開発する際に行政が適切な説明や指導を行えず、問題が大きくなってから立ち往生すること。無許可伐採や違法建築はたしかに目に余りますが、外資からすればアナウンス不足で『知らなかった』『注意もなかった』となっている。法制度や条例の周知がなされていないことが問題の根にあるのです。ニセコが外国人によって価値を見いだされ、ここまで発展したのは紛れもない事実なのだから、地元に雇用を生み、税が落ちつつ、景観や自然をしっかり守れるようにする努力がまったくなされていない」
雪国に舞う巨額のマネーが正しい方向に使われることを祈るばかりだ。
※週刊SPA!10/28発売号より
取材・文/週刊SPA!編集部 写真/産経新聞社
―[[欲望マネーの街]ニセコの真実]―

