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「地元民の怒りは限界」外国人観光客は住人の10倍…北海道・ニセコで横行する“モラルなき開発”の実態

「地元民の怒りは限界」外国人観光客は住人の10倍…北海道・ニセコで横行する“モラルなき開発”の実態

◆相次ぐ違法建築&伐採に水資源トラブルまで勃発

[欲望マネーの街]ニセコの真実
地価が高いエリアは物件の転売&開発が同時並行で進み、重機を使った宅地造成も頻発
 地元民が外資に不信感を抱く根底には、今年に入って起きた開発トラブルが大きく影響している。

 6月、行政は羊蹄山の麓にある倶知安町巽地区で無許可で3.9haもの森林伐採を行ったとして、札幌の不動産会社に工事の停止を勧告した。

 また10月にはニセコ町に建てられた賃貸用のアパートが無許可で増築され、あろうことか下水管にも接続していないことが判明し、こちらの事業者にも行政は工事の停止と使用禁止を勧告。

 この2件とも主導していたのは中国資本だったことから、地元民の外資アレルギーに拍車をかけているのだ。

[欲望マネーの街]ニセコの真実
「無許可伐採があったエリアはリゾートとは程遠い森林地区で、中国系企業は200戸もの豪華別荘地を開発するとYouTubeで宣伝していました。違法建築で建ったアパートもでたらめな工事で造られており、『下水道につなげられないからトイレは汲み取り式にする』と開き直る始末。『建てれば儲かる』と信じてルールを守らない中国系企業のやり方に、地元民の怒りは限界に達しつつあります」(地元紙記者)

◆現状に対する制度づくりの努力が不足している

[欲望マネーの街]ニセコの真実
 外資に土地を買われ、乱開発に遭うニセコは、水源の問題も取りざたされた。

「外国人に買われた土地の地下に流れる水源も彼らのものになる。日本から水が奪われる」という類いの主張だ。だが、ニセコの現場を知る不動産関係者は、一刀両断する。

「水源の問題で言えば、ニセコ町は日本企業から土地の所有権を巡って多額の和解金を吹っかけられており、『外資だから』『中国だから』と批判するのは安直すぎます。問題の核心は、外資が開発する際に行政が適切な説明や指導を行えず、問題が大きくなってから立ち往生すること。無許可伐採や違法建築はたしかに目に余りますが、外資からすればアナウンス不足で『知らなかった』『注意もなかった』となっている。法制度や条例の周知がなされていないことが問題の根にあるのです。ニセコが外国人によって価値を見いだされ、ここまで発展したのは紛れもない事実なのだから、地元に雇用を生み、税が落ちつつ、景観や自然をしっかり守れるようにする努力がまったくなされていない」

 雪国に舞う巨額のマネーが正しい方向に使われることを祈るばかりだ。

※週刊SPA!10/28発売号より

取材・文/週刊SPA!編集部 写真/産経新聞社

―[[欲望マネーの街]ニセコの真実]―

配信元: 日刊SPA!

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