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ラブホテルは、さまざまな事情を抱えた人たちが利用する。特殊な場所であるだけに、そこでは“珍ハプニング”に遭遇することも……。
◆ラブホで彼女とイチャイチャのはずが…

「彼女も乗り気で、私たちはコンビニで酒やつまみを買ってラブホに向かいました」
東郷さんが住む地域は田舎で、そのラブホはバンガローのように1棟ごとに独立したタイプだったそうだ。
「フロントがなく、そのまま部屋に入ってチェックインを済ますという流れでした。会計はエアシューターで行うのですが、その日はそれが壊れていたんです」
東郷さんたちは、管理人を待つことに……。
◆衝撃の一言「あの、部屋を譲ってもらえませんか?」
すぐにチャイムが鳴り、ドアを開けると、そこには40代半ばに見える男女の姿があった。東郷さんは同じラブホを何度か利用したことがあり、「管理人さんっておじいちゃんだったよな……変わったのかな?」と思いつつ、「ま、いいか」と料金を支払おうとすると、その男女から予想外の言葉が……。“あの、部屋を譲ってもらえませんか?”
「当然、耳を疑いましたよ。管理人ではなく、カップルでした。丁重にお断りしたのですが、そのカップルはなかなか引き下がりませんでした。こんな体験初めてで、面白半分で理由を聞いてみると、ちょうど僕らで最後の部屋が埋まってしまったらしいんです」
そして、そのカップルは「お互いが不倫中で、なかなか会えない」「近くの別のホテルはどこも満室」「頼むから譲ってほしい」としつこく迫ってきたというのだ。
すると、部屋の中で聞いていた彼女が、困っている東郷さんを見かねて一喝!
「私たちも早く愛し合いたいの、邪魔しないで!」
ちょうどそこに管理人が現れて事情を話すと、ようやくカップルはその場から去っていったと、東郷さんは振り返る。
「なんともカオスな時間でした。酔っていたとはいえ、彼女のあんな男前な一面が見られてよかったです」

