ところが、隣家の奥さんが毎日のように「うちの土地に土がかかってる」とクレームを連発。小さな線引きが引き金となったトラブルは、まさかの展開を迎えることになったそうです。

◆毎日の文句に参った日々
彩乃さんは、庭に小さな花壇を作ることを楽しみにしていました。「春になったらハーブや季節の花を植えようと思っていました。長年の夢だったんです」
ところが、隣家の奥さんのクレームが日々の悩みになったといいます。
「ある日、花壇に土を入れたら、すぐに『ちょっと!土がうちにかかってるでしょ!』って。線引きメジャーを片手に、3センチ入ってるだの、もう毎日が戦いでした」と彩乃さん。
隣人は1センチでも許さない様子で、彩乃さんが庭仕事をするたびに小競り合いが起こったそうです。
町内会の別の住民も「まさかこんなに厳密に境界を監視する人がいるとは」と驚いたとのこと。
「最初は少し注意されるくらいだと思ったんです。でも、日に日に口調が強くなって…。土いじりが楽しめなくなってしまいました」と彩乃さんはため息をつきます。
◆境界線の真実が明らかに
実は、この辺りの住宅は築年数が古く、おまけに区画整理が入ったりと当時はかなりあいまいな造成だったらしいのです。そして、彩乃さんたちの揉め事を知った町内会の有志が正式な土地測量を行ったところ、驚くべき事実が判明します。「なんと、隣家の建物がこちらに越境していたんです。しかも違法に設置されたフェンスも見つかって…。正直、信じられませんでした」と彩乃さん。
市の土地区画整備課の職員も立ち会い、境界部分の外構工事が必要と判断。見積もりは軽く300万円を超え、その通達が隣家へ届くと「そんな金額、どうしたら…」と隣家の奥さんは驚きを隠せなかったそうです。
地元の古老によると、隣家はこの地域で最古の住居の一つで、当時の土地区画管理がずさんだったことも背景にあり、かなりはみ出していたそうです。
彩乃さんは当時の心境をこう語ります。「毎日文句を言われて疲れていたけど、測量の結果を聞いたときは、逆にホッとしました。私が間違っていたわけじゃなかったんだと分かって…」

