「離婚もやむを得ません」家を出る決断
「このままでは、取り返しのつかないことになる」
カンナさんは、娘を守るために家を出ることを決意します。しかし、夫のマサトさんは「親を置いていけない」と、同居解消に強く反対しました。
「それなら、離婚もやむを得ません」
カンナさんの固い決意と、憔悴しきった息子の姿を目の当たりにし、マサトさんも事の重大さに気づいたようです。
「わかった。一緒に出よう。サクラを守ることが一番だ」
狭いアパートでの再出発と、残された“負の遺産”
3人は、家から車で30分ほどの場所にある、狭い賃貸アパートで新しい生活を始めました。サクラさんは転校先の学校に馴染み、少しずつ元気を取り戻しています。
しかし、家族の平穏を取り戻した代償は大きなものでした。二世帯住宅のペアローンの返済は、家を出たあとも当然続きます。アパートの家賃と合わせると、家計は苦しくなりました。
現在、夫婦は二世帯住宅を売却しようと、義父母と話し合いを続けています。援助してくれた1,000万円を返すから別の住む場所を探してほしいと説得しても、「恩を仇で返すのか」「私たちの住む家がなくなる」と義父母は猛反発。義父母の年金収入は夫婦合わせて月額25万円ほどで、決して裕福ではありませんが、退職金と貯蓄を切り崩しての援助だったこともあり、感情も相まって関係性はどんどんこじれていきます。
さらにもう一つ問題が。たとえ義父母を退去させられたとしても、地方にある特殊な間取りの二世帯住宅に買い手がつく保証はどこにもありません。
ローンの返済と、解決のみえない義父母との対立。マサトさんとカンナさんは、精神的にも経済的にも疲労困憊しています。それでも、離婚という最悪の事態は避けられました。
「すべてが愚かな選択でした。金銭援助をあてにしたことも、ペアローンを組んだことも。なにより、娘を追い詰めてしまったことも……。ですが、いまは苦しいけれど、家族3人で一緒にいられる。いつか必ず立て直そう」夫婦は互いを支え合い、前を向こうとしています。
