TAIWAN 現代建築のフロントライン、台湾で創造の鼓動を感じる
圧倒的なアート体験は、美術館の中だけであなたを待っているわけではない。日常に点在する「アートな刺激」を求めてアジアを旅するなら、台湾がおすすめだ。今や、名だたる建築事務所や各国の巨匠が、前衛的な建物を多く手がけ、「現代建築のフロントライン」といった様相を呈している。
台北では、世界屈指の設計事務所OMA(オランダ)による、キューブから球体が飛び出たような「台北パフォーミングアーツセンター」や、躍動的な螺旋(らせん)を思わせるヴィンセント・カレボー(ベルギー)の集合住宅「陶朱隠園」が、環境と響き合う。郊外には、ヤオ・レンシー(台湾)による、水に浮かんだ遺構のような「蘭陽博物館」が、自然の中に大迫力で鎮座する。
台中には、ルーヴル美術館のガラスピラミッドで知られるI.M.ペイ(アメリカ)設計の東海大学チャペル「路思義教堂」が。現代的でありながら、牧歌的な雰囲気が美しい。日本が誇る伊東豊雄設計による「台中国家歌劇院」では、繰り返し登場する有機的な曲線に目を奪われる。台南では、坂茂建築設計事務所と石昭永による「台南市美術館当代館(二館)」や、高雄ではスペイン×台湾の合同チームが手がけたランドマーク「高雄流行音樂中心」と出会うことができる。
台湾をより魅力的にしているのが、「現代建築の最前線」でありながら、「歴史建築の宝庫」でもあるという点だ。日本統治時代の「林百貨」(台南)や「宮原眼科」(台中)がいまも現役で愛されている。多様な建築スタイルが時代と共存し、独自の街並みを形成しているのだ。
アイコニックな建物は、街を行き交う人々に驚きや安らぎ、刺激や彩りを与え、そこに暮らす人々には誇りすら感じさせる。人や環境と響き合う「共鳴する空間」を生み出すのだ。そんな場所にはきっと、素敵な出会いが待っていることだろう。台湾で街歩きをしながら叶う、世界最高峰のアート体験。あなたも堪能してみてはいかがだろうか。

画像提供:台湾観光庁

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