入庫予約時におけるウェブサイトのさらなる活用に期待
昨今、様々な業界で人手不足の問題が取り沙汰されており、自動車ディーラーでも営業職や整備士の確保は課題となっている。そのような背景の中、アフターサービスにおいても、車の使用履歴や故障データの一元管理、オンライン整備サポート、AIによる故障診断など、DX化による作業効率や作業品質の強化が進んでいる。
本調査では、入庫日時の予約方法について、最初にどのような方法がとられたかを聴取しており、「メーカー/販売店のウェブサイトの予約フォーム」を利用した顧客は、前年から+3ptの20%であった。また、予約/入庫における満足度との関係をみると、「メーカー/販売店のウェブサイトの予約フォーム」で予約した場合は732ポイントで、全体を10ポイント上回った。
最も多い予約方法は、「販売店の担当者からの電話」が33%と前年に続き最多であり、依然として予約方法の主流であることがわかった。また、予約方法が「販売店の担当者からの電話」であった場合の満足度も748ポイントと全体を26ポイント上回る高い評価を得ている。
入庫の希望日時と実際に予約できた日時を比較すると、「第一希望の日時になった」割合は全体で46%であり、半数強は第一希望の日時での予約は取れなかったことが明らかとなった。予約方法別に第一希望の日時での予約が取れた割合をみると、「メーカー/販売店のウェブサイトの予約フォーム」(54%)が最も高いが、それでも半数弱は第一希望の日時での予約は出来ていない。
本調査では、保有している自動車メーカーや販売店への今後の期待についても聴取しており、「来店日時のインターネット予約」を挙げる顧客は23%と全項目中で最多であった。
店舗オペレーションの効率化と顧客満足度の向上に向けては、顧客へのインターネット予約の案内、予約開始時期の見直し、予約枠の最適化など、顧客の希望に沿った入庫予約を実現するためのさらなる工夫が求められる。
店舗オペレーションの最適化、従来的な体制の見直しを視野に
自動車ディーラーは、より多機能で高度化されていく車の点検・修理を効率よく、的確に行う必要がある。その一方で、アフターサービスでの点検・修理の内容を顧客に適切に伝えることも満足度向上においては重要である。
入庫時に作業前の説明や確認を行った担当者は、全体では「整備士/メカニック」が36%で、「セールス担当者」(29%)、「サービス担当者」(28%)を上回った。納車時の説明の担当者は、全体では「整備士/メカニック」が55%と、「サービス担当者」(24%)、「セールス担当者」(20%)を大きく上回っていた。また、車メーカーによってどの担当者が対応したかの比率は大きく異なり、車メーカー間において、担当者ごとの評価水準の優劣も差が大きかった。
現状では、入庫や納車時に「整備士/メカニック」がメインで顧客対応を担っているケースが多い実態がみられたが、自動車ディーラーでも人材不足が叫ばれている今、従来的な体制のままでは顧客が満足する対応を実践するのが難しいケースも出てきていると推測される。店舗での限られた人員による効率的な店舗オペレーションの実現に向けた改善の取り組みは必須と言えよう。
