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フムスとごまクリームがチキンにぴったり! パリで家族が作るサンドイッチ。

フムスとごまクリームがチキンにぴったり! パリで家族が作るサンドイッチ。

数日後、ランチへ。

パストラミにピクルスとハニーマスタードのシンプルなサンドイッチにしようか、発酵キャベツとチェダーチーズも加えられたルーベンサンドと迷っていたら、「ルーベンにしたら?」とすすめられたので、そうした。すると、限りなく薄切りにしたパストラミが綺麗に重ねられた断面を見せてサンドイッチがやってきた。その様相に、肉肉しい味を口の中で想像したのだが、これが、全然くどさがなく、脂っこくもなく、むしろパストラミはふわっとしていた。香りで肉を食べるような感じだ。パン・オ・ルヴァンの香ばしさもおおいに手伝って、軽快な口当たり。とてもおいしい。まだ暖かい日で、テラスで食べていると、店の人たちが外に出てきた。どうも親子のようだった。家に帰ってから店のサイトを開いたら、家族経営であることがわかった。パストラミはお父さんのレシピらしい。また行こう、と思った。

本誌で紹介したルーベンサンド。一見、ぎゅっとお肉が詰まっているようだが、口の中ではふわっと感じる。

翌週再訪すると、前回と同じ男性が店頭に立っていて。

「あー! こないだ気に入った?」と笑顔で挨拶された。「Oui」と答えて、メニューを見ながら「メトロの中でも考えていたのだけど、今日はタヒニ・シーザーサンドとホット・ドッグで迷っている」と伝えたら「こないだ初めてきたときに、ルーベンサンドを食べたから、2回目はホットドッグだな」と言われた。食べたものも覚えていたようだ。ホットドッグのビーフ・ソーセージも自家製かと尋ねると、カウンター脇のテーブルに座った男性を指し「そうだよ、パパの工房で作っているんだ」と紹介された。お父さんの名前がウィリアムで、だから店名は『ウィルズ・デリ』。チーズとパン以外は、全て自家製という。たっぷりとレリッシュ(きゅうりピクルスのみじん切り)の盛られたホットドッグを、家族が揃っている(お父さんの隣にはお母さんもいた)店の温かさを感じながら、お父さんの向かいの席で頬張った。

ホットドッグはもちろんおいしかったのだけれど、やっぱり"タヒニ・シーザー”と謳われているサンドイッチが気になって、後日、改めて食べに行くことにした。
ピタパンサンドとあったから、袋状になっているピタパンに具を詰め込んでいるものを脳裏に描いていたら、違った。ロール状だった。この店は入り口を入ってすぐの右側に天板があり、店の外から焼いている様子が見られる。それで、一度外に出て、窓際から作るところを見せてもらった。まずピタパンを天板にのせ、十分に温まった(と思われる)ところで、フムスを塗る。その上にアイスバーグレタスを広げ、細めのくし切りにした赤たまねぎと赤ピーマンを散らし、今度はスパイシータヒニソースをまわしかける。そして1.5cmほどの幅に切ったフライドチキンを置いて、ビーフンを揚げたのかと思うくらいに極細のポテトのフライ「アリュメット」を全体に散らす。ここまでを天板の上で済ませたら、ペーパーの上に移動させて、最後にパセリをたっぷり。それをペーパーごと、ぎゅっと巻き込む。

包む前のタヒニ・シーザーサンド。パセリがたっぷりなんです。ディルも入っています。

フライドチキンは、パン粉をはたいて作られていた。それでなのか、惣菜コーナーに売っていそうな親しみやすい味だった。もも肉でジューシー。同時に、やさしくて、食べやすい。脂っこさを感じないのは、レタスと同じくらいの分量に見えたパセリが一役買っているのかもしれない。スパイシータヒニは、タヒニ(ごまクリーム)にコチュジャンを合わせているそうだ。全然辛いとは感じなかったけれど、これも、全体がもったりした味にならない効果をもたらしている気がした。フムスとタヒニで具材を繋ぐ”シーザー”。ひょっとすると、パルメザンチーズで作る本家よりも、好きかもしれないなぁ。

配信元: & Premium.jp

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