へこたれながらもキャリアは続く
──不遇が続いて、本当に介護の仕事から離れようとは思わなかったですか?
少し考えました。でも、ここまで続けてきたし、何より介護の仕事が好きなんです。あとは、諦めずに仕事を探して、自分に合う職場に出会えたことが大きかったですね。
今の職場は、老健に転職したときから知っていた施設なんです。当時は応募しなかったのですが、ダメもとで応募して採用してもらったんです。
──面接で短期離職についてどのように説明しましたか?
嘘をつくとあとでつじつまが合わなくなるので、正直に答えました。介護の仕事を続けるか悩んでいることも伝えました。そしたら担当者が、「うちで働いて、それでもダメだと思ったら辞めればいいんじゃない」と言ってくださって。その言葉に救われたというか、気持ちが軽くなって入職を決めました。
──安心して働ける職場に出会えたんですね。今の職場は長く働けそうですか?
ええ、ようやく腰を据えて働けそうです。人間関係も良いし、ちゃんと休みも取れるようになりました。子どもにも「ママ、休み増えたね」って言われるくらいです(笑)。
業務でもこれまでの経験が活きていています。請求業務を担当していて、人手が足りない日は現場にも出ています。
先日、利用者さんたちと足湯に行ったら、とても喜んでくださって。職員も利用者さんも、みんなが気持ちよく過ごせる環境をつくることが、今のやりがいですね。
──これまでいろんな経験をされてきたNさんだからこそ、短期間での退職を迷っている方へ、伝えたいことはありますか?
「辞めてもどうにかなる」と考えてほしいです。パワハラやブラックな職場では、へこたれて退職してしまいました。でも、諦めなかったからこそ今の職場にたどり着けたんだと思います。どんな経験も無駄にはならないので、諦めずに続けてくださいと伝えたいです。

