2024年度の北米エリアはわずか3.1%の増収、41%もの営業減益でした。すでに北米エリアだけで100店舗以上の削減、900人のレイオフが決定しています。
2024年9月にCEOに就任したブライアン・ニコル氏は、「くつろげる店」という本来のブランドを取り戻す努力を重ねてきましたが、成果が出ていません。
過剰出店によるサービス力の低下は、日本も決して他人ごとではありません。

◆スターバックスの原点回帰を果たしたが…
アメリカのスターバックスはコロナ禍以降、過度な値上げに加えて回転率重視で席数を増やしたことで、客離れを引き起こしました。新CEOのニコル氏は、居心地を重視した顧客体験を取り戻すため、席の再配置や素材の見直しを急ピッチで進めています。スタッフに対しては、カップに感謝の気持ちを伝えるメッセージを手書きで行なうよう指示もしました。かつてスタッフが自発的に行なっていたものを、半ば組織的に実行するようになったのです。陶器製のマグカップも復活させました。
ニコル氏の改革は、サービス力の高さが最大のセールスポイントであったスターバックスの原点に立ち返るものでした。
一方で、疲弊するのは現場スタッフ。手書きメッセージの強要は現場負担が大きすぎると、SNS上で批判や不満の声があがっています。
ニコル氏は顧客満足度を高めるため、提供時間を最長4分に短縮するよう指示もしていました。現場が混乱するのも無理はありません。
◆「くつろげる店」の基準に達しない店舗は…
また、アメリカで閉鎖する店舗に対して、顧客と従業員が期待する物理的な環境を提供できないと述べました。足もとでは目覚ましい業績回復の兆しがないことから、「くつろげる店」の基準に達しない店舗の閉鎖は続くと見られています。そもそも、アメリカのスターバックスは店舗数が多すぎるという問題がありました。およそ1万6000店舗あまりあると言われています。アメリカの人口は3億3600万人なので、単純計算で2万1000人の商圏内に1店舗あることになります。一方、日本は6万2000人に1店舗の計算。
アメリカのスターバックスは、過剰出店で1店舗当たりの売上高が伸び悩み、テコ入れ策として顧客満足度の向上を図りました。しかし、スタッフへの負担が増し、現場が混乱しているという状況なのです。

