3. あん摩マッサージ指圧師の施術内容
あん摩マッサージ指圧師は、あん摩だけでなく、患者さんの身体の変調を考慮しながら同時にマッサージと指圧も施術します。日本では明治維新後、医療現場においてドイツ医学を基礎とした治療方法の1つとしてマッサージが普及しました。あん摩とマッサージは、どちらも病気の予防や治療、健康維持促進を目的としている点が共通しています。
これらの違いとしては、あん摩が衣類の上から遠心性の施行を用いるのに対して、マッサージでは直接皮膚に触れて求心性の施行をおこなう点になります。また、指圧はあん摩、導引そして柔道の手技を取り入れた1点に圧を加える特殊な技法で、大正時代にアメリカの生体技術の理論とその手法をもとに体系化されました。
4. あん摩マッサージ指圧師の資格について
あん摩マッサージ指圧師は医師や看護師と同じように人体を扱う職業として「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」(昭和22年法律217号)第2条第1項の規定によって定められた医療系の国家資格です。
あん摩マッサージ指圧師は「業務独占資格」であり、あん摩マッサージ指圧師の資格を持たずに勝手にあん摩マッサージ指圧師と名乗り、あん摩、マッサージ、指圧を用いた治療を患者に施すことは法律で禁止されています。あん摩マッサージ指圧師と似た職業として、手技などで身体の不調を緩和させる「整体師」や「セラピスト」がありますが、これらの職種は国家資格を必要としません。

