3.美容部員になるには

3-1.資格は必須ではない
美容部員は、美容師や理容師のような国家資格ではありません。美容部員になるために資格は必須ではなく、勤務先となる化粧品メーカーや百貨店などの採用試験に合格すれば働くことができます。
雇用形態も正社員や契約社員、アルバイト・パートまでさまざまです。新人研修制度や教育体制を整えて「未経験者」を受け入れている企業もあるため、美容業界の中でも、比較的目指しやすい職種だといえます。
3-2.美容専門学校やスクールで学ぶ人もいる
美容部員になるために資格は必要ありません。しかし、美容部員の仕事は化粧品の売上に直結するため、高いスキルが求められます。そのため、中学校や高等学校の卒業後、美容専門学校で勉強したり、メイクスクールに通ったりして就職を目指す人もいます。
■美容専門学校の特長
美容専門学校の教育課程は、一般的に昼間課程(2年以上)と夜間課程(2年以上)と通信課程(3年以上)に分かれます。このうち、通信課程(3年以上)は美容師・理容師を目指す人向けのカリキュラムです。学校によって異なりますが、昼間課程・夜間課程の学費の相場は200万円〜300万円になります。
そのため、美容部員を目指す人は昼間課程か夜間課程の「総合美容科(トータルビューティー科)」「ビューティーコンサルタント科」などを専攻します。
在学中には美容理論やメイクアップ、スキンケア、エステティックの技術、接客マナーなどを幅広く学び、美容部員として求められる知識・技術を身につけることが可能です。これらの知識・技術は、途中でキャリアプランが変わり、美容系の他職種を目指すことになったときにも役立ちます。
大手化粧品メーカーと提携してインターンシップ制度を取り入れていたり、企業による「就職説明会」をおこなっていたりする専門学校もあるため、「憧れの化粧品ブランドで働きたい」といった希望がある人は学校選びのときにチェックしてみましょう。
■メイクスクールの特長
メイクスクールは、メイクアップアーティストを目指したり、メイクアップの知識・技術を学んだりする人に講義をおこなっている学校です。美容専門学校と同じように、基本的な美容知識も学びますが、よりメイクの実践・技術の習得を重視したカリキュラムが組まれています。
受講スタイルは「通学」と「通信」の2パターン。半年間の「短期集中コース」や1年間の「専門コース」など、希望に応じて幅広いコースから選ぶことができます。学費は受講回数によって異なりますが、半年間のコースで30万円〜50万円、1年間のコースで50万円〜150万円程度が相場になります。
4.美容部員の働く場所(職場)

美容部員の働く場所(職場)は働き方によって異なります。一般的な働き方としては、「化粧品メーカーの社員として働く方法」「化粧品専門店やドラッグストアの社員として働く方法」などがあります。
■化粧品メーカーの社員として働く
化粧品メーカーの社員として働く場合は、入社後に自社ブランドの商品知識や接客マナー、メイクアップやスキンケアに関する研修を受けたうえで店頭に立ちます。
おもな職場としては、自社ブランドを扱う百貨店や大型スーパー(GMS)、ショッピングモール、ドラッグストア内の化粧品売り場などがあります。
美容部員と聞くと、国内や海外の有名ブランドが並ぶ百貨店で働く姿をイメージする人もいると思います。しかしながら、大手の化粧品メーカーは美容部員の人数も多く、百貨店への配属は狭き門となっているようです。
初めは販売職として売り場に立ちますが、店頭での売上実績や経験が評価され、各店舗を統括するマネージャー職に就いたり、店舗開発や商品開発に携わったりする人もいます。
■化粧品専門店・ドラッグストアなどで働く
化粧品専門店やドラッグストアなどで働く場合は、メーカーの社員とは違い、店舗が取り扱うさまざまなブランドの化粧品を販売します。
そのため、各ブランドの特長を知り、お客さんに説明するための豊富な商品知識が必要になります。また、取り扱う化粧品が多いため、商品の陳列、検品・在庫確認・発注といったバックヤード業務の比重が大きくなる傾向にあるようです。

