
1. 職業指導員とは?
障がいを持つ方の就労をサポート
職業指導員とは、障がいを持つ方を対象に、働くうえで必要な知識や技術を身につけるための職業訓練の指導や、自立した就業をサポートする職業です。主に「就労移行支援」「就労継続支援(A型・B型)」といった障がいを持つ方の就労支援を目的とした事業所で働きます。
職業訓練の内容は事業所によって異なり、食品加工やお菓子作り、製品の梱包や仕分け、パソコンを使ったデータ入力やWEBサイト制作、清掃作業、園芸作業、農作業、木工作業など、さまざまです。
障がいを持つ方が自分に合う仕事で力を発揮できるよう、一人ひとりの能力や適性、本人の意向や心身の状況などを踏まえながら、適切に指導・支援することが求められます。
生活支援員・就労支援員との違い
職業指導員によく似た職業として、同じ就労支援系の事業所で働く「生活支援員」「就労支援員」があります。
生活支援員はその名の通り、障がいを持つ方の生活面を中心にサポートする職業です。食事や排泄などの日常生活で必要な介助のほか、利用者の健康管理や生活能力向上のための支援もおこないます。また職業指導員と同様に、職業訓練の指導をおこなうこともあります。
就労支援員は、障がいを持つ方だけなく生活保護者や母子世帯の母親など、就労が困難な人全般を対象に幅広く支援します。具体的には、職場実習や就職活動に関する支援、実習先や就職先の開拓、職場定着のための就職後の訪問・相談など、就労全般に関してサポートをおこないます。
なお、これらの職種は厳密な棲み分けがされていないことも多く、事業所によっては兼任しているケースや、名称は異なっても業務内容が似ているケースもあるようです。
2. 職業指導員になるには?
資格や免許は不要、未経験でもOK
職業指導員として働くうえで必須の資格や免許、実務経験はありません。職業指導員を募集している事業所の選考に通過すれば働くことができます。そのため無資格・未経験であってもチャレンジしやすい職業と言えるでしょう。
ただし事業所によっては、介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)や三福祉士(介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士)などの資格保有者や、一定の実務経験者を応募要件としているところもあります。また職業訓練の内容によってパソコンスキルなどの特定スキルを求められることや、利用者を送迎するための自動車運転免許を求められることもあります。
なお、就労支援系の事業所で働く従業員の約8割は中途採用者となっており、新卒で入職している人の割合は少なくなっています(出典:きょうされん|障害者支援事業所職員労働実態調査報告)。

