5. 職業指導員の給料
厚生労働省が調査した職業指導員の平均月収、年収について紹介します。
【全国平均】職業指導員の月収の相場
職業指導員全体の平均月収は、常勤が20万6,608円、非常勤が10万3,617円となりました。
常勤 | 非常勤 | |
全国平均 | 20万6,608円 | 10万3,617円 |
出典:厚生労働省|令和5年障害福祉サービス等経営実態調査結果
【サービス別】職業指導員の月収の相場
サービス別の職業指導員の平均月収は金額差が大きく、常勤においては就労継続支援A型が17万6,471円で最も低く、福祉型障害児入所施設が29万4,267円で最も高い金額となりました。入所施設の場合は夜勤手当によって給与が高くなっている可能性が考えられます。
| 常勤 | 非常勤 | |
|---|---|---|
| 就労移行支援 | 22万9,195円 | 10万3,133円 |
| 就労継続支援A型 | 17万6,471円 | 10万2,293円 |
| 就労継続支援B型 | 22万7,705円 | 10万4,759円 |
| 施設入所支援 | 23万1,833円 | 8万9,635円 |
| 福祉型障害児入所施設 | 29万4,267円 | 13万3,835円 |
【経営主体別】職業指導員の年収の相場
経営主体別に職業指導員の平均年収を見ると、常勤ではどのサービスにおいても営利法人<NPO法人<社会福祉法人の順で給与額が高くなっていることがわかります。営利法人とは主に株式会社のことを指します。なお非常勤の場合においては、常勤ほど大きな経営主体別の金額差は見られませんでした。
社会福祉法人* | NPO法人 | 営利法人 | ||
就労移行支援 | 常勤 | 339万9,306円 | 263万6,352円 | 249万8,422円 |
非常勤 | 179万9,574円 | 185万2,148円 | 191万7,481円 | |
就労継続支援A型 | 常勤 | 329万2,678円 | 259万5,105円 | 239万4,858円 |
非常勤 | 175万6,599円 | 186万3,415円 | 179万8,440円 | |
就労継続支援B型 | 常勤 | 327万1,950円 | 272万2,169円 | 231万4,934円 |
非常勤 | 176万2,237円 | 175万7,769円 | 144万4,033円 |
*社会福祉協議会を含む
出典:厚生労働省|平成29年障害福祉サービス等経営実態調査結果
6.職業指導員の将来性
障害福祉サービスの利用者数は年々右肩上がりに増え続けており、それに伴い就労支援系の事業所数も増加傾向にあります。そのため今後もしばらくは職業指導員の活躍の場は増えていくことが予想されます。

また2021年度の障害者総合支援法の改正では、就労支援系の事業所では単に作業場所を提供したり就職先を探したりするだけではなく、利用者の働きやすさや生産性の向上など、より“質の高い就労支援”をおこなっている事業所が評価されるようになりました。
今後も質・量ともに社会的なニーズが高まる職業指導員の仕事。福祉に興味がある方はもちろん、ものを作ることや人に教えることが好きな方にも向いている職業ではないでしょうか。
参考
- 高橋悠『就労移行支援・就労継続支援(A型・B型)事業所運営・管理ハンドブック』2019
- 厚生労働省|令和3年度障害福祉サービス等報酬改定について

