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歯科助手とは? 仕事内容や役立つ資格、勤務先による業務・給料の違いを解説

歯科助手とは? 仕事内容や役立つ資格、勤務先による業務・給料の違いを解説

3. 歯科助手の仕事内容

歯科助手は無資格のため、歯科診療において“できる業務”に制限があります。歯科助手として働き始める前に、歯科助手が“できる業務”と“できない業務”の基本を確認しておきましょう。

歯科助手ができる業務

歯科助手は患者さんの応対をはじめとして、診療をスムーズに進めるために必要なさまざまな業務を担当します。

  • 簡単な診療補助
  • 治療で使用する器具の準備
  • 治療で使用した器具の洗浄・滅菌処理・片付け
  • 受付業務(診察券や保険証の受領、カルテの作成など)
  • 会計業務(診療費(一部負担金)の受領、診療費に関する質問への回答など)
  • クラーク業務(問診票の記入依頼、ユニットへの案内など)
  • レセプト業務(診療費の計算、レセプトの作成・点検など)
  • 電話応対
  • 予約管理
  • 院内清掃
  • 定期歯科健診の案内
  • 歯科材料の在庫管理・発注

なお、診療補助のうち歯科助手に認められているのは、医師に器具を手渡したり、バキュームで口腔内の唾液を吸い取ったり、印象材を練ったりするといった簡単な業務に限られます

歯科助手ができない業務

歯科助手が次のような業務をおこなうことは法律で禁じられています

  • レントゲンを撮影する
  • 麻酔注射を打つ
  • 歯を抜く
  • 歯を削る
  • 詰め物や被せ物を装着する
  • 印象材で歯型を取る(印象採得)
  • 噛み合わせを取る(咬合採得)
  • 歯垢や歯石を除去する(スケーリング)
  • フッ素塗布
  • 歯ブラシ指導

医師、歯科医師、診療放射線技師以外の人物がレントゲン撮影をおこなうことは、法律で禁じられています。たとえ「撮影ボタンを押すだけ」であっても歯科助手がおこなってはいけません。

また、歯科助手はそのほかの“患者さんの口腔内に手を入れる行為”を一切できません。麻酔注射を打つ、歯を抜く、歯を削る、詰め物や被せ物を装着する、印象採得、咬合採得などの医行為(修復処置)は歯科医師、スケーリング、フッ素塗布、歯ブラシ指導などの予防処置や保健指導は歯科衛生士の仕事です。

歯科助手がこれらの禁止行為をおこなった場合、たとえそれが歯科医師などの有資格者からの指示であっても罪に問われてしまいます(実際に歯科医師や歯科助手が逮捕される事件も起きています)。

4. 歯科助手の勤務先

歯科助手の勤務先はほとんどが歯科診療所ですが、高齢化に伴い、訪問歯科診療に力を入れるところも増えています。

歯科診療所

ここまで解説してきたとおり、歯科助手は診療補助から受付、事務に至るまでさまざまな仕事をこなさなければならないため、作業の正確さと同時に速さや効率の良さが求められます。

また、歯科助手は患者さんが来院してから診療を終えるまで接する時間が長く、患者さんにとって最も身近な存在です。歯科助手には患者さんの不安を受け止め、安心して治療を受けてもらうための細やかな気配り臨機応変な対応も求められます。

一部の診療科目に特化した診療所を除き、多くの歯科診療所が一般歯科から矯正歯科、審美歯科、小児歯科まで幅広く診療をおこなっています。そのため来院する患者さんも小さなお子さんからお年寄りまでさまざま。幅広い年代の方と分け隔てなく接することのできる方が向いているでしょう。

インタビュー 患者さんの不安を取り除くことも歯科助手の大切な仕事

訪問歯科

訪問歯科の場合、歯科助手ではなく「歯科コーディネーター」という名前で募集がかけられていることがあります。

患者さんは基本的に70歳以上など高齢のため、口腔内の健康や嚥下機能を維持することで、一日でも長く食べる喜びを味わってもらえるよう支援します。そのため口腔ケアに加え、嚥下訓練が診療内容に含まれることがあります。個別に契約してご自宅を直接訪問するケースと、高齢者施設と契約して一度に多くの方を診療するケースがあります。

訪問歯科の場合、車の運転は通常歯科助手の仕事とされているため、運転免許が必須となる求人がほとんどです。もちろん、訪問予定の管理、訪問ルートの確認、必要な機器・器具の準備、診療補助もおこないます。訪問歯科の場合は設備や時間が限られているため、安全に配慮しながらも、着実に業務を進める工夫や胆力も必要です。

さらに、患者さんやその家族と契約書類を取り交わしたり、診療内容を簡単に説明したり、他職種(ケアマネジャーなど)と情報を共有したりと、より多くの関係者と関わりながら仕事を進める能力が求められます。調整力が高く、多くの人と積極的にコミュニケーションが取れる方、お年寄りと接することが好きな方はやりがいを感じられるのではないでしょうか。

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