花毎の花ことば・キングプロテア「吉報」
キングプロテアの花ことばには、「王者の風格」や「自由自在」などがあります。これらは、ギリシア神話に登場する海神プロテウスにちなんで名付けられたものです。
未来を見通す力を持ちながら、それを語ることを好まず、捕らえられたときにのみ真実を明かすとされるプロテウス。姿を自在に変えながら沈黙を守るその神秘的な在り方は、プロテア属の植物が見せる多様な姿と、環境に応じて変化するしなやかな生命力と重なります。
その象徴性は、プロテア属の中でもひときわ大きな花を咲かせるキングプロテアに現れていて、堂々と咲き誇るその姿には、未来の兆しを静かに見つめるまなざしのような力が宿っているようです。
変化の中にこそ希望がある──そんな思いを込めて、「吉報」という新しい花ことばをキングプロテアに託しました。
この花が、よき知らせの予感をそっと届けてくれることを願って。
文・第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子
水上多摩江
イラストレーター。
東京イラストレーターズソサエティ会員。書籍や雑誌の装画を多数手掛ける。主な装画作品:江國香織著「薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木」集英社、角田光代著「八日目の蝉」中央公論新社、群ようこ「猫と昼寝」角川春樹事務所、東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇跡」角川書店など

「銅版画で愉しむ 二十四節気の花ことば 英訳付き」
『二十四節気の花絵』が書籍になりました。
これまでの連載の中から、二十四節気にまつわるお話と、それぞれの節気に合わせて選りすぐった3つの花絵を収録。合計72の花絵と花ことばを、一冊にまとめました。
おやすみ前のひとときなど、心を癒したい時間にぴったりな、大人のための絵本です。英語訳も付いておりますので、海外の方へのギフトにもおすすめです。
WEB連載とはひと味違う、書籍ならではの魅力を、ぜひご堪能ください。
第一園芸の店舗、オンラインショップ、Amazonなどのオンライン書店にてお求めいただけます。
