◆高校は特別支援学校へ進学した理由

咲さん:設備的な問題や、高校からは市から派遣される介助員が利用できなくなることを考慮し、特別支援学校に進むことになりました。
ーー咲さんが通われた特別支援学校は、どのようなところだったのでしょうか。
咲さん:特別支援学校と聞くと、寝たきりの子などが通うイメージを持つ方が多いと思いますが、私の高校は肢体不自由の方を中心に受け入れていました。脳性麻痺の方や、私みたいな骨形成不全症の方などです。
とはいえ、小・中と普通学校に通っていたため、高校から特別支援学校に行くことには葛藤がありました。なので、文化祭に行ったり、高校の先生に学校のよさを聞いたりして、自分の経験がより豊かになるかもしれないと思えたタイミングで行くことを決めました。
その後は四年制大学に進学できて、ずっと夢だった福祉と心理学を学びましたし、アルバイトや就活も経験しました。現在は一般の会社で働きながら、実家で生活しています。
◆ジョウロの重さで骨折してしまう
ーーSNSで、これまでに80回骨折を経験したと紹介されていました。本当に、些細なことで骨折してしまうのでしょうか。咲さん:くしゃみや笑っただけでも折れてしまうくらい、骨折しやすいです。
いつもはできていた動作でも、ある日突然骨折してしまうこともあります。たとえば、お花に水をあげようとジョウロを持ったら、重くて折れてしまったこともありました。
また、一人でお手洗いに行けるようになってからは、手洗い場に敷いてあるマットで転び、腕を折ってしまったこともありましたね。
ーーすぐ骨折してしまうことで、学校生活に影響はありましたか。
咲さん:中学時代は強豪の吹奏楽部で朝から晩まで練習する充実した日々を過ごしていたのですが、骨折の影響で半年間部活を休まなければいけないこともありました。
大学時代も体調を崩していたため、ちゃんと学校に通えるようになったのは3年生からでした。
ーー青春時代は、楽しさだけでなく悔しさも入り混じった時間だったのですね。
咲さん:骨折すると、あたりまえに毎回痛いですし、折れた直後って悔しくて。今でも、生活の節々で「なんでこんなところで骨折しないといけないんだ」「こんな障がいじゃなければ…」と思うことは少なくありません。

