海の安全を守る海上保安庁の仕事を間近で体験できるイベント「海保フェア 2025 in 立川」が11月8日、東京都立川市の海上保安試験研究センターで開催される。
海難救助に活躍するヘリコプターの展示から、普段は見ることのできないセンター業務の体験、さらには除草を担当するヤギの“働き者”な姿まで、多彩なプログラムが用意されている。
海難救助で活躍「スーパーピューマ」を間近で
イベントの目玉は、海上保安庁・自衛隊・警察・消防の各機関が保有するヘリコプターの展示だ。海上保安庁からは「スーパーピューマ」の展示を予定。
スーパーピューマは、洋上での船舶事故や遭難者の救助活動に投入されるヘリコプターで、当日はその迫力ある機体を間近で見学することができる。
普段はテレビのニュース等でしか見ることのできない機体を、実際に目の前で観察できるとあって、子どもから大人まで楽しめる貴重な機会となるだろう。
また、会場では、海上保安庁音楽隊によるファミリーコンサートも開催される。
科学捜査の現場を体験
会場となる海上保安試験研究センターは、海上で発生した事故や事件の真相解明を科学的にサポートする機関。海上で流出した油の分析や、衝突した船舶の塗膜片の分析など、いわば「海の科学捜査」を担っている。
今回の海保フェアでは、実際にセンターで使用されている機器を使った体験プログラムを用意。
汚れを落とす作業を通じて分析業務の一端に触れられるほか、紙幣の偽造防止技術の観察などもできるという。
科学的な分析手法が、海上の安全や事件解決にどう役立っているのか。現場の業務を体感しながら学べる、またとない機会だ。
働き者のヤギ「しろ」「ちゃ子」が除草中
もう一つのユニークな見どころが、センターの中庭で除草作業を担当しているヤギの「しろ」と「ちゃ子」との触れ合いだ。
2頭は9月1日から11月30日まで、職員の業務負担軽減や除草コストの削減を目的とした実証実験に参加している。
センターの担当者によると、2頭は普段から行動範囲内の草を食べており「好みの草とそうでない草があるようで、完全に地面がむき出しになるわけではないが、一定の高さまでに草を揃えてくれている」という。
海保フェア当日、2頭は中庭エリアにいて、草を食べる姿を観察したり、近くで写真を撮ったりすることができる(※)。
※負担を考慮し休憩時間が設けられる予定。
なお、検証結果を踏まえて、今後もヤギによる除草を継続するか検討されるといい、取材に応じた担当者は「あくまでも個人的な感想」としつつ、「しろ」と「ちゃ子」の働きぶりについて「十分活躍してくれている」と述べた。
「海保フェア 2025 in 立川」は11月8日、10時から15時まで開催。会場にはキッチンカーの出店も予定されている。
海難救助の最前線で活躍する装備品の見学、普段は知ることのない科学分析業務の体験、そして働くヤギの姿。海上保安庁の多様な活動を五感で体験できる充実したイベントとなりそうだ。
【開催概要】
入場無料・申込不要
会場:東京都立川市泉町1156 海上保安試験研究センター
(立川バス「立川市役所」すぐ、水色タイルの建物)
日時:11月8日10時から15時まで

