7. あるほうが良いスキルや心構えは?
医療ソーシャルワーカーとして働くには、どのようなスキルや心構えが必要なのでしょうか?
医療ソーシャルワーカーの仕事は対話が基本となります。相手の考えや行動の背景をしっかりと理解し、細やかな配慮をおこなうことが求められます。話以外にも、表情や行動のわずかな変化から、相手の気持ちを汲み取れるよう経験を積みましょう。
患者や家族には病気やその対処法について不安をかかえている方が多くいらっしゃいます。優しい言葉をかけることが必要なときもあれば、進むべき方向について自分の考えをはっきり示すことが必要なときもあります。さまざまな状況に臨機応変に対応する柔軟性も必要です。
医療や福祉に関する公的支援制度や社会資源に関する知識も必要です。制度については幅広く勉強してみてください。社会資源については地域の公共機関から高齢者福祉施設や事業所、コミュニティなどの情報を調べ、集めていくことになります。病院内だけでなく、利用者の生活環境を整えることも業務の一部です。少しずつ勉強し、経験を積んでください。
8. 実際に病院のどんなところで働いているの?
医療ソーシャルワーカーには看護師のような制服がなく、事務職の方と同じ服装であることが多いため、病院に行ったとしても医療ソーシャルワーカーを見分けることは困難です。病院によって名称は異なりますが、「地域医療連携室」、「医療福祉相談室」といった名称の部署に所属することが多いようです。
9. それぞれの医療機関の特徴を事前に調べよう!
救急患者や重篤な患者などのための急性期病院や、慢性的な状態の患者や長期的な治療が必要な患者のための慢性期病院では、患者さんの置かれた状況はまったく異なります。当然医療ソーシャルワーカーに求められる役割も変わってきますので、自分に合った病院はどちらなのかよく考えましょう。
急性期病院は救急患者や重篤な患者が多いため、限られた時間で支援を考え、スピード感を持って対応することが求められます。そのため、ハキハキした性格の方やたくさんの仕事をこなしたい方に向いています。
慢性期病院は治療の継続が必要な方、とくに高齢の方が多いため、時には人生を通じた支援をおこなうこともあります。一人ひとり丁寧に対応したい方やその人の人生に継続して関わりたい方が向いています。
どちらも社会的にやりがいのある仕事であり、どちらが正解ということもありません。自分の性格ややりたいことと向き合ったうえで選びましょう。「どちらも経験したうえで決めたい」ということであれば、それもOKです。
10. 医療ソーシャルワーカーの復職ポイント
結婚や出産、育児などさまざまな理由で一度現場から離れ、復帰を考えている方もいるかと思います。医療ソーシャルワーカーはさまざまなケースに対応した経験こそが財産です。ブランクがあったとしても、医療ソーシャルワーカーとしての勤務実績があれば、大きなアピールポイントとなるでしょう。
復職する際に押さえておきたいのは、勤務条件です。医療ソーシャルワーカーは、利用者の要望に応じて動くことが多いため、勤務状況が不規則になることもあります。特に小さなお子さんがいらっしゃる方は、夜遅くの勤務や土日勤務を避けるなど、無理のなく仕事を続けられる勤務体制を整えることも重要です。内定承諾前に採用担当者と交渉してみるのもよいかもしれません。
11. リファラル採用を有効活用
自分が卒業した大学の先生や先輩、友人を介したリファラル採用の活用もオススメです。信用できる人物からの紹介を重視している医療機関もあるため、「医療ソーシャルワーカーの仕事を探しているのですが……」と聞いてみると意外な道が開けるかもしれません。
インターンシップを活用する方法もあります。見学や実習、体験など医療機関にアプローチする方法があればどんどん活用してみてください。インターンシップ先にそのまま就職することは珍しい話ではありませんので、試してみる価値はありますよ。

