5. 臨床検査技師の働き方
臨床検査技師の仕事着や仕事道具、一日の仕事の流れ、休日について解説します。
臨床検査技師の仕事着
〈通常の検査の場合〉
病院や診療所、臨床検査センターなど検査業務を主におこなう職場では、通常白衣を着用します。また、検査時にはマスクや手袋を着用して作業をすることもあります。

〈隔離室での検査の場合〉
結核などの空気感染のおそれがある患者さんが入院する空気感染隔離室では、身体に菌が付着しないように白衣の上から防護服、帽子、N95マスク、手袋を着用して作業にあたります。

臨床検査技師の仕事道具
〈検体検査で使う道具〉
検体検査で使用する道具には、次のようなものがあります。
- 注射器(シリンジ、針):採血で使用。注射器の筒の部分をシリンジと呼ぶ。針には直針と翼状針がある。シリンジと針は一度使うごとに交換する
- 駆血帯(くけつたい):腕に巻きつけて血管を浮き出すために使う。ゴムチューブ、ピンチ付きゴムチューブ、バンドタイプなどがある
- アルコール消毒綿、止血テープ:止血で使用。針を指した部分をアルコール綿で消毒し、止血テープを貼る。アルコール綿は個包装タイプが衛生的で使いやすい
- 採血管:採血した血液を入れて保存する容器。検査の種類に応じたさまざまな薬品が入っている
- 血糖測定器:耳や指先に針を刺して採取した少量の血液から、血糖値を測る機器
- 顕微鏡:肉眼では調べられない血液などの体液、細胞、細菌や寄生虫などを調べるために使用
- スライドガラス:検体を顕微鏡で観察する際に使う、検体を付着させるガラス製の板
- マイクロピペット:微量の液体を計量して注ぐスポイト状の道具
- 白金耳(はっきんじ)、白金線(はっきんせん):検体をスライドガラスや培地に塗りつける際に使う金属製の細い棒。白金耳の先端は円状になってる。細かな作業の場合は、先端の細い白金線を用いる
- 培地(ばいち):細胞や微生物を培養しやすいように人工的に作られた環境のこと。ここに検体を投入し菌を増やす。寒天などで固められた固体培地、液状の液体培地がある
- シャーレ、試験管:シャーレは蓋のついた円状のガラス皿、試験管は筒状の細長いガラス管で、培地を作る際などに使う
- アルコールランプ、ガスバーナー:スライドガラスを火であぶり検体を固定する際や、検査器具を滅菌する際に使う

〈生体検査で使う機器〉
患者さんに直接触れておこなう生体検査では、心電図や脳波、超音波(エコー)、MRI、呼吸機能、眼底血圧など、それぞれに応じた検査機器を用います。
臨床検査技師の一日
勤務先が病院の場合と臨床検査センターの場合、それぞれの臨床検査技師の一日の仕事の流れはおおむね次のようになっています。


臨床検査技師の休日
勤務先が病院や診療所などの医療機関や臨床検査センターの場合、休診日である日曜・祝日に加えて月曜から土曜の間に1日が休みとなることが一般的です。
一方、一般企業(製薬会社・医療機器メーカーなど)の場合、基本的に暦通り土日祝日が休日となります。
6. 臨床検査技師の給料
ジョブメドレーに掲載されている求人から臨床検査技師の賃金相場を算出しました。なお、残業手当など月によって支給額が変動する手当は集計対象外のため、実際に支払われる賃金はこれより多くなる可能性があります。
【全国平均】臨床検査技師の時給・月給・年収の相場
2024年12月時点の全国の臨床検査技師の時給・月給・年収の相場は次のとおりとなりました。
下限平均 | 上限平均 | 総平均 | |
|---|---|---|---|
パート・アルバイトの時給 | 1,651円 | 1,907円 | 1,764円 |
正職員の月給 | 22万6,092円 | 29万6,176円 | 25万4,738円 |
正職員の年収* | 316万5,288円 | 414万6,464円 | 356万6,332円 |
過去に「なるほど! ジョブメドレー」でインタビューした臨床検査技師Lさんの場合、新卒で総合病院に入職したときの初任給こそ18万円ほどでしたが、超音波検査の専門性を磨くことでキャリアアップに成功し、30代で月収40万円を実現しました。

臨床検査技師の都道府県別、職場別、勤続年数別など、より詳しい内容はこちらの記事をチェック!
>臨床検査技師の給料は高い?月収・年収など平均給与を都道府県別に発表!

