7. 臨床工学技士の将来性
臨床工学技士が国家資格として制度化されたのは1987年と比較的最近のことです。実際に従事者数は約3万人で、医師や看護師などほかの医療専門職と比較しても少数です。
医療従事者の数
- 医師 32万7,444人
- 薬剤師 25万3,198人
- 看護師 132万420人
- 診療放射線技師 5万5,624人
- 臨床検査技師 6万7,752人
- 臨床工学技士 3万408人
*参考:厚生労働省「令和6年版厚生労働白書 資料編」より
一方で人工透析が必要な患者さんは年々増加しており、2000年に約20万人だった透析患者数は約35万人を数えるまでになりました*1。透析患者5人に対し臨床工学技士が1人必要と言われていますが*2、これに従うと現状でも7万人の臨床工学技士が必要という計算になり、その数は圧倒的に不足しています。
*1:日本透析医学会「2020年末の慢性透析患者に関する集計」「第1章 2020年慢性透析療法の現況」*2:日本臨床工学技士教育施設協議会「臨床工学技士は日本では何名ほど必要とされていますか?」
もちろん臨床には人工透析以外にも数多くの医療機器があり、これらなくして現代医療は成り立ちません。近年は新型コロナウィルスの流行下ではECMOの管理に欠かせない職種として注目されたり、その後も医療ドラマに登場したりと、認知度も上がってきています。今後も医療技術や医療機器の高度化が進むにつれ、臨床工学技士の活躍の場はますます増えるでしょう。
参考
- e-Gov 法令検索|臨床工学技士法
- 岩間靖典『臨床工学技士になるには』ぺりかん社(2019年)
- 横田俊弘『臨床検査技師・診療放射線技師・臨床工学技士になるには』ぺりかん社(2002年)

