3.歯科技工士の働く場所は?
「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)」によると2022年における歯科技工士の就業先は、約7割が歯科技工所、残りの約3割は病院もしくは診療所となっています。

過去にインタビューをおこなった、歯科医院(診療所)で勤務するFさんは歯科技工所(ラボ)と歯科医院の働き方の違いについて以下のように話していました。
ー現在の職場は歯科医院なんですよね?ラボと医院で働き方の違いはありますか?ラボでは、そのラボに特化した仕事ばかり受けるので専門性が高まります。一方、医院ではその医院で発生した仕事を全部引き受けることになるので、広く経験を積むことができると思います。とくに今の職場の場合、歯科技工士は私しかいないのでそれが顕著ですね。
また、院内技工士の1番のメリットは「患者さんの口腔内を直接見ることができる」という点にあると思います。やっぱり、模型に合わせて作るのと、実際に患者さんの口を見ながら作るのでは出来上がりが雲泥の差ですよね。とくに歯の色を合わせるのはすごく難しいので。
4.歯科技工士になるには
歯科技工士は国家試験に合格しなければ資格を取得することができません。高等学校卒業後、歯科技工士の養成機関に入学し、定められたカリキュラムを2年以上学び、歯科技工士として必要な知識と技能を修めることで国家試験を受けることができます。
歯科技工士の養成校は専門学校・短期大学・4年制大学があり、合わせて全国に48校存在します(2023年11月時点)。
国家試験に合格し指定の登録機関に免許申請をすることで、晴れて歯科技工士の国家資格を有することができます。
■国家試験の概要
2025年2月16日(日)に実施された令和6年度歯科技工士国家試験の合否基準は以下のとおり。
〈学説試験〉
配点を、1問題1点、合計80点満点とし、48点以上の者を合格とする。
ただし、基礎科目群及び専門科目群別得点のいずれかが、その科目群の総得点の30%未満である者は不合格とする。
総得点 48点以上/80点
〈実地試験〉
1課題を30点、合計90点満点とし、54点以上を合格とする。
総得点 54点以上/90点
引用:厚生労働省|第10回(令和6年度)歯科技工士国家試験の合格発表について
■国家試験の合格率
合格発表:2025年3月26日(水)
| 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|
| 733人 | 684人 | 93.3% |


