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保育士になるには?必要な資格の取り方と勤務先、仕事内容について解説

保育士になるには?必要な資格の取り方と勤務先、仕事内容について解説

3. 保育士の仕事内容

保育士は、児童福祉法第18条で「専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者」と定義されています。そのため保育士の仕事は主に子どもに対する支援保護者に対する支援に分けることができます。

子どもに対する支援

子どもを預かる間、保護者の代わりとなって身の回りの世話をしたり、挨拶・食事・排泄・着替え・睡眠などの基本的な生活習慣を身につけられるよう適切な声かけ・介助をしたります。また、発達段階や季節に合わせてさまざまな遊びや行事をおこなうことで、豊かな心を育てます。

  • 子どもの身の回りの世話をする
  • 基本的な生活習慣を身に付けられるよう手助けする
  • 一人ひとりの発達に応じて、適切な介助や指導をおこなう
  • 遊びを通じて社会性や協調性、言語能力、運動能力を育む
  • 入園式・卒園式・運動会・遠足などの行事を企画・運営する
  • 子どもの健康状態に配慮し、病気やけがをした場合は保護者や医療機関に連絡する

保護者に対する支援

子どもを預かるうえでは「どのように育ってほしいか」という保護者の思いを尊重する必要があります。普段からコミュニケーションを密に取ること、子育てに関して悩みを抱えているようであれば、保育のプロとして話を聞き助言することも大切な支援の一つです。

  • その日の活動や子どもの様子を連絡帳に記入し、保護者に伝える
  • 子どもに関する保護者からの相談に応じる

4. 保育士の勤務先

保育士の勤務先と言えば保育所認定こども園ですが、ほかにも放課後や夏休みなどに子どもの居場所を提供する放課後児童クラブ(学童保育)、障がいを持つ子どもに療育の場を提供する児童発達支援(児発)放課後等デイサービス(放デイ)、さまざまな事情で親元を離れて生活しなければならない子どもたちの“家”となる児童養護施設で働くことも可能です。

保育所

保育所は都道府県の認可を受けた認可保育所と認可を受けていない認可外保育所に大別されます。

〈認可保育所〉

国の定める設置基準(面積、職員数、設備、衛生管理、防災管理など)を満たし、都道府県が設置を認可した施設を認可保育所といいます。認可保育所は園児を集めやすく、国や自治体から補助金も得られるため、認可外保育所と比較して経営面で安定していると言えます。

また、認可保育所には公立と私立があり、公立の保育所に勤める場合その立場は地方公務員となります。公務員のため給与や雇用が安定しており、休暇制度が充実している点が魅力です。

私立の保育所に勤める場合は、勤務先によって待遇や福利厚生が異なりますので、応募時にはよく確認しましょう。また、保育方針も園によってさまざまですので、面接の前や面接時に園内を見学させてもらうことをおすすめします。

 

〈認可外保育所〉

上記のような都道府県などの認可を受けていない施設を認可外保育所といいます。

英語教育に力を入れているインターナショナルスクールをはじめとして、運動や音楽など特色ある保育方針から敢えて認可外を選ぶケースもありますので、必ずしも認可/認可外で保育の質に差があるわけではありません

一時預かりベビーシッターベビーホテルなども認可外保育所にあたり、認可保育所だけでは受け止めきれないさまざまな保育ニーズに応えています

私立保育所同様、待遇や福利厚生、保育方針が希望にマッチするか確認しましょう。

tips|認証保育所、地域型保育事業とは

東京都が独自に設けた設置基準を満たす施設を認証保育所と呼びます。0歳児保育、開所時間13時間以上を義務付けるなど、都市型の保育ニーズに応え、待機児童問題を解消するために2001年に導入されました。

このようなそれぞれの地域の事情に合わせた設置基準を設ける動きは地方単独保育事業と総称され、大阪市(地域型保育事業所)、横浜市(横浜保育室)など、ほかの全国の政令指定都市にも広がっています。

さらに、2015年度には子ども・子育て新制度が始まり、地域型保育事業と呼ばれる新たな保育施設も生まれました。定員19人を上限に原則0〜2歳児を預かる小規模保育所、事業主が設置し従業員や周辺地域の子どもを預かる事業所内保育所院内保育所などがこれに当たります。

小規模保育所はこれまで0〜2歳を対象としていましたが、2023年5月以降、対象年齢が拡大されました。きょうだいで別々の施設に通園せざるを得ない場合や、集団生活をおこなうことが困難な場合、過疎地やへき地で近くに保育施設がないなどの場合は、3歳以上児も受け入れ可能です。

認定こども園

従来保育所が担ってきた“保育”と、幼稚園が担ってきた“教育”の両方を提供するのが認定こども園です。

認定こども園には幼保連携型・幼稚園型・保育所型・地方裁量型の4種類がありますが、幼保連携型の認定こども園で働くには、保育士資格に加えて幼稚園教諭の免許状も必要となります。

認定こども園の種類

 

幼保連携型

幼稚園型

保育所型

地方裁量型






学校かつ児童福祉施設

学校

*保育所の機能を併せ持った幼稚園

児童福祉施設

*幼稚園の機能を併せ持った保育所

*幼稚園と保育所の機能を併せ持った施設




国・自治体・学校法人・社会福祉法人

国・自治体・学校法人

制限なし





保育教諭

*保育士資格と幼稚園教諭免許状の両方

満3歳以上:保育教諭が望ましいが、いずれかでも可

満3歳未満:保育士資格

ただし、2025年3月31日までは、保育士としての実務経験が3年(4,320時間)以上あれば、幼稚園教諭の免許状を取得するために必要な単位数が軽減されるという期限付きの特例措置が設けられています(参照:文部科学省)。

放課後児童クラブ(学童保育)

放課後児童クラブ(学童保育)は、放課後や夏休みなどに、保護者が日中家にいない家庭の子どもたち(小学生)を預かる施設です。保育所とは預かる子どもたちの年齢が異なりますが、生活の場を提供するという意味で基本的な性格は変わりません。

放課後児童クラブの8割が自治体が設置する公立の施設で、残りの2割が民間企業やNPO法人が設置する民立の施設となっています。預かり時間は公立の場合は原則18時まで(19時まで延長可)ですが、民立の場合は20時〜22時ごろと夜遅い時間まで受け入れています。

放課後児童クラブで働くために必要な資格はとくにありませんが、保育士や放課後児童支援員の資格を持っていることを応募要件としている求人もあります

インタビュー 放課後児童クラブ(学童保育)で働く魅力

児童発達支援(児発)・放課後等デイサービス(放デイ)

児童発達支援(児発)は小学校就学前、放課後等デイサービス(放デイ)は学齢期(小学校入学〜高校卒業まで)の、さまざまな障がいを持つ子どもたちに対して療育をおこなう施設です。

自閉症スペクトラム(ASD)や学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害のためにサポートを必要とする子どもやその家族が急増しており、これらの施設の求人も増えています。

これらの療育施設では、それぞれの特性や障がいに合った個別支援計画に基づいて、集団生活への適応や運動機能の向上を目指してさまざまな療育プログラムを提供します。施設によって療育の方針や手法が異なるため、自分のやりたいことにマッチしているかどうか確認しましょう。

インタビュー 保育所で経験を積んだうえで療育施設)児発・放デイ)に転職

児童養護施設

児童養護施設は、虐待や死別などさまざまな理由で保護者と一緒に暮らすことができない子どもたち(1歳〜高校卒業まで)を保護する施設です。

保育士は保護者の代わりとなって身の回りの世話をしたり、基本的な生活習慣・学習習慣を身に付けさせたりしながら、将来的な自立を支援します。24時間365日フォローが必要なため勤務形態は不規則になりますが、子どもたちと関わる時間が長い分、大きなやりがいを感じることができるようです。

インタビュー 児童養護施設で働く魅力

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