3.調理補助の仕事内容・できないこと
前の段落で紹介した調理師のほかに、資格が必要ない「調理補助」という職種があります。実際の仕事内容としては、調理師のアシスタントとして簡単な調理業務のほか、食材のカット、盛り付け、食器の洗浄、調理場の清掃などを担当します。
調理補助は調理師と同じように、調理業務をおこなうことができますが、資格を持たないため「調理師」を名乗ることができません。
また、施設によっては調理師と調理補助の役割が明確に分かれているところもあります。応募する際は、求人の仕事内容を確認しておきましょう。
4.調理師になるには
4-1.調理師学校の卒業者は試験不要
調理師になるには【1】短大・専門学校などの調理師学校(養成施設)で1年以上勉強して、卒業することによって調理師免許を取得するルート【2】飲食店などで2年以上実務経験を積み、調理師試験に合格することによって調理師免許を取得するルートの2通りがあります。

4-2.調理師試験の概要・受験資格・合格率
調理師試験は厚生労働省が各都道府県に委託する形で実施しており、試験日時は毎年8〜11月頃となっています。実施時期がそれぞれ異なるため、受験を予定している都道府県の公式ホームページを確認しましょう。実施日が重複していなければ、居住地以外でも複数受験が可能です。
試験は食文化概論、公衆衛生学、栄養学、食品学、食品衛生学、調理理論の6科目からマークシートによる四肢択一方式で出題されます。ただし、調理技術技能センターによる試験をおこなっている23都県(令和4年)や、関西広域連合(滋賀、京都、大阪、兵庫、和歌山、徳島の各府県)以外は科目内で自治体独自の出題がある場合もあります。複数受験をする際は、より余裕をもった試験対策が必要になるでしょう。
調理師試験 受験者数と合格率の推移(全国平均)
厚生労働省「調理師試験の実施状況」より作成厚生労働省が発表している「調理師試験の実施状況」によると、2022年度の合格率は全国平均で65.4%でした。過去5年間で合格率は60〜70%台で推移しています。
また、都道府県別に見ると合格率の差には顕著な差があります。2022年度は北海道の79.8%が最も高く、奈良県の45.8%が最も低い結果となりました。

