5.理容師の将来性

5-1.理容室数・従業理容師数は減少傾向
厚生労働省が発表した「令和5年度衛生行政報告例の概況 」によると、2023年度の理容室数は11万297店舗となり、前年より2,171店舗減少。
2023年度の従業理容師数は19万9,467人となり、前年より5,416人減少。2011年以降、減少が続いています。

厚生労働省「衛生行政報告例:結果の概要」より
これらの一因としては、「1000円カット 」などのサービスを提供する低価格チェーン店の増加による競争激化、経営者の高齢化などにより、営業継続が困難となった個人経営店舗の減少などが考えられます。

出典:厚生労働省「理容業の実態と経営改善の方策(抄)」
また、美容室数と従業美容師数の推移を見ると、こちらは右肩上がりに増えており、なり手が美容業界に流れていることも挙げられます。

厚生労働省「衛生行政報告例:結果の概要」より
5-2.理容業界の新しいトレンド
理容業界では、理容室数・理容師数が減少するなかで、他店との差別化をはかるため、高級志向のバーバーや女性向けの顔そり(シェービング)に特化した店舗などが誕生しています。
男性の間では、長短のグラデーションがついた刈り上げを特徴とする「フェードカット」など、デザイン性の高い髪型が流行。TwitterやInstagramなどのSNSに投稿された「バーバースタイル」を見て、これまで美容室に通っていた人が理容室を訪れる、といった集客の流れも一般的になりつつあります。
また、従来のカッティングや顔そり(シェービング)だけではなく、毛髪・頭皮のスカルプケア、エステやパックなどのフェイシャルケア、ヘッドスパ・マッサージなどは、男女問わず人気のメニューです。
これらの背景をふまえると、従来の強みである「技術」に加えて、多様化する顧客のニーズに合ったサービスを提供できる理容師は、今後も活躍の場所が広がると言えるでしょう。これから理容師を目指す方や転職活動中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

