◆なぜ「いじめの標的」になったのか
――いじめの標的になるのはなぜか、心当たりはありますか。沼田:推測でしかありませんが、加害学生が私をいじめるようになった背景には、加害学生のうちの1人が好意を抱いている男子学生が、私の大量調理の実習での作業をいろいろと手伝ってくれたことがあると思います。それが面白くなかったのかもしれません。
――指を指してからかうなどの行為について、先生は何と言っていたのですか。
沼田:何度も相談をしたのですが「あなたにも非があるんじゃない?」「自分で対応したら?」と言われました。最終的に注意はしたらしいのですが、もっと早い段階で注意すべきだったのではないかと私は感じました。
――他に学内で揉めたことはありますか。
沼田:大量調理の実習の時間に、体調的にずっと立っていられなくなりました。そのため、許可をもらって座らせてもらっていました。眠気が襲ってきてうつらうつらしていると、突然肩を強く叩かれ、「寝てはいけないなんてみんな知ってるのよ!」と怒鳴られました。私が抱える感覚過敏についてはすでに専門学校側に相談をしていたので、何らの配慮もないことに驚いてしまいました。もちろんその後、大量調理の実習に参加するのが辛かったです。
◆「暴言」「公的文書の改ざん」の真相は?
――専門学校側が退学事由としてあげている「暴言」「公的文書の改ざん」について教えてください。沼田:暴言については、教員に対してのものです。いじめの相談をしても取り合わず、教員室にいた他の教員数名も「(話を)聞いてほしかったんだね、ははは」と笑うなどしました。そこでカッとなって、「やめてくれ」と言って、その夜に抑うつがひどくなり、思い詰めて担任に「死ね」とメールしました。
改ざんについては、ハローワークへの提出書類を私が書き換えてしまったんです。持病のために言語理解力に乏しく、ハローワーク職員と学校の教員の説明を間違って理解してしまったためです。学校側には状況を説明したものの全く聞き入れてもらえませんでした。
――強制退学になったとき、沼田さんに対してどのような聞き取りが行われましたか。
沼田:弁明の機会は2回ほどしかなく、いずれもボイスレコーダーがずっと回っていました。その後に予定されていた校外実習に行けなくても文句を言わない旨も言質を取られ、録音されていました。学校側はかなり警戒していて、退学処分を言い渡す際には弁護士を同席させたうえで、「学校に来たら、警察を呼ぶ」などの発言もありました。

