◆なぜブラヴォーと叫んでしまうのか
だが、コンサート鑑賞のビギナーだと、「ブラヴォー」と声に出すのはやや気恥ずかしいはず。今回問題になっているのは「ブラヴォー」と叫ぶ人であるから、長年の愛好家が犯人と目されよう。余韻を理解しているだろう積年のファンが、なぜタイミングを間違えるのだろうか。「それこそ、真摯に見てくださってないんですよ。『俺は、曲の終わりを知ってるぞ!』というマウントをとりたくて、早々に叫んでしまうんじゃないでしょうか。コンサートは演奏を見にきていただくものですが、自己顕示欲を間違ったところで発揮してしまう方が、ブラヴォーおじさんになってしまいがちなのだと思います」
◆私語をする観客に舞台上から注意したことも
他方、女芸人No.1決定戦「THE W」の決勝進出も果たした彼女は、芸人としてのキャリアも15年にのぼる。「ネタ中の私語」について発信する芸人が増えたが、昨今のお笑いライブでの観客マナーはどうなっているのか。「私のネタ中にも、結構大きな声で喋り始めたお客様がいたことはありましたね。ほかのお客さんも、その私語が気になってこちらに集中できていない雰囲気になったので、思わずネタを止めて注意してしまいました」
SNSなどで注意喚起する芸人は増えたが、現場で直接の注意をした経験があるのは驚きだ。その意図をまとばさんはこう語る。
「芸人って、やっぱり少し下に見られている方が笑ってもらいやすいところはあります。しかし、『お客様の方が偉い』からといって、ネタをぶち壊してもいいわけではないですよね。SNSで指摘するのも一つの手かもしれませんが、私語をしてしまうような人は、『これが自分のことだ』とは気がつかないかもしれない。正しかったかはわかりませんが、そうした気持ちから、その場で注意したんです」

