いつまでも輝く女性に ranune
クラシックコンサートに現れる“ブラボーおじさん”に「迷惑」と批判殺到…早すぎる“大声”で余韻が台無し

クラシックコンサートに現れる“ブラボーおじさん”に「迷惑」と批判殺到…早すぎる“大声”で余韻が台無し

◆お笑いライブの鑑賞マナーが荒れるワケ

まとばゆう
ピアニストとお笑い芸人の二刀流で活動
お笑いコンビ「いぬ」の有馬徹氏が、ネタの導入タイミングで周囲への配慮なく退席した観客に「腹立つ」と投稿したことも話題になった。こうした行動について、まとばさんは「そのお客さんが体調不良だったかもしれないので、その方を断罪するわけじゃありませんが」と前置きしながら、お笑いライブの特性を次のように語った。

「お笑いライブのほとんどは、何組も芸人が出てきますよね。だから、目当てじゃない芸人さんのネタも見ることになります。人気のあるコンビがトリに控えているライブなどだと、そのコンビ目当てのお客さんが最前列に陣取って、ほかの芸人の出番の時に私語をしたり立ち上がったりすることは多いですね」

クラシック音楽など、歴史ある芸術では、作品の評価はすでに確立されている面が大きい。反面、お笑いなどの現在進行形で生み出される芸能は、「今」ウケる/ウケないこそが第一の基準になる。したがって客側が答えを持っているという構造の違いもあるが、さらにSNSの影響もあると、まとばさんはいう。

「地下ライブによく通い、ライブのレポートをSNSによく投稿する人のうちには、力を持っちゃっている方もいるんですよ。レポートに多くいいねがついたり、フォロワーが多かったり。そういう方は、まだお客さんが少ない芸人さんに対して、『私が広めてあげている』といわんばかりに、ある種の権威性を誇示されるケースもあると思います」

◆舞台上で展開されているのは「作品」だという意識

芸人が低く見られやすいこと、目当てではない芸人も含めて見るライブが多いこと、SNSで影響力のあるお客さんがいることなど……。複合的な要素によって、お笑いライブでの観客マナーの低下は起こっているようだ。そんな現状を、どうすれば打破できるのだろうか。

「これはクラシックと同じですが、集中して見てほしいです。もちろん、笑いのツボは人それぞれなので、笑えない芸人さんもいるとは思います。でも、目の前でやっているネタは、芸人さんが人生をかけてやっていることで、『作品』です。無理して笑う必要はありませんが、邪魔はしないで、集中して見てほしいです」

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クラシックとお笑いという、性質の異なる芸術/芸能。しかし、その鑑賞マナーは「集中して見る」と、ごくシンプルかつ共通したものだった。

集中して鑑賞することは、作品の面白みや素晴らしさを一層引き立てもする。マナーとして求められるからと窮屈になるのではなく、自らが深くたのしむためにも、舞台に真摯に向き合いたいものだ。

<取材・文/Mr.tsubaking>

【Mr.tsubaking】
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
配信元: 日刊SPA!

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