◆佐々木朗希の起用法がチームの命運を握る
また来季に関していえば、野手陣の世代交代以上に重要となるのが守護神をどうするか。今季は左腕のタナー・スコットがチーム最多となる23セーブを挙げたが、シーズン終盤は不安定な投球を繰り返し、チームの失速にもつながった。ポストシーズンでは、救世主のごとく佐々木朗希が登場したが、本人は先発へのこだわりを隠していない。佐々木のリリーフ起用はあくまでも暫定的なものだった。
それでも短いイニングだからこそ、佐々木は躍動感を見せ、将来的に守護神の座を任せるにふさわしいと感じたファンも少なくないはずだ。常時160キロを超えるフォーシームと落差のあるスプリットは紛れもなく守護神としてより威力を発揮するだろう。
◆佐々木朗希が“第2のリベラ”を目指す可能性は?
もし佐々木が来季ふたたび、先発としてメジャー定着を狙うとなると、6人のローテーションに割って入らなければいけない。ドジャースは、通算223勝を挙げたクレイトン・カーショーが現役を引退したとはいえ、ポストシーズンで先発を務めた山本由伸、大谷翔平、ブレーク・スネル、タイラー・グラスナウの4本柱は来季も健在だ。さらに今季途中に頭角を現した25歳のエメ・シーハンや、右肩の手術で今季全休したギャビン・ストーンなどが控えており、佐々木のローテーション入りは当然、確約されるような状況ではない。
今季の佐々木はフォーシームとスプリットが投球全体の80%以上を占めたが、第3の球種、スライダーは16.3%止まり。先発投手として長く活躍するためには、球種のバリエーションをもっと広げるべきだろう。しかし、クローザーという役割を担うならば、2球種+スライダーで何とかなってしまう。やはり、タイプ的にも佐々木のリリーフ転向案は熟考すべきではないか。

