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「降りろバカヤロー」停車中に中国人男性2人に囲まれてパニック急発進。殺人未遂に問われた被告人の真相――仰天ニュース特報

「降りろバカヤロー」停車中に中国人男性2人に囲まれてパニック急発進。殺人未遂に問われた被告人の真相――仰天ニュース特報

大事件ばかりがニュースではない、身近な小さな事件の方が人生を左右することも。注目のテーマを取り上げ大反響を呼んだ仰天ニュースを特別セレクション!(初公開2024年10月29日 記事は取材時の状況、ご注意ください)
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「ヤクザか半グレなのかなと。早くここから去りたいと思っていました」

 法廷でそう語ったのは、殺人未遂・傷害の罪に問われた被告人A(28歳男性)。Aは、東京都大田区内の幹線道路で、交通トラブルになった30代で中国人男性のBさんをボンネットに乗せて176メートル走行し、転落させて逃走。さらに、同じく30代で中国人男性のCさんにも車を衝突させたとされている。

 事件当時、Aは交通トラブルに発展していると気づかず、赤信号で停車中に中国人の男性2名から「降りろ」などと迫られたことで「仲間同士のヤクザ」だと思い込み、パニックになってしまって犯行に……。だが、2名の男性はお互いに顔見知りではない、赤の他人だったのだ。

◆被告人の“車線変更”が事件のきっかけに

東京地方裁判所
東京地方裁判所/筆者撮影
 10月15日から東京地裁(江口和伸裁判長)で始まった裁判員裁判は、同月18日の第4回公判で論告・弁論が行われた。法廷に現れたAはスーツ姿で小柄、ごく普通の20代男性で緊張している面持ちであった。

 事件は、2024年1月25日午後7時50分頃、羽田空港付近の幹線道路で発生。この日、Aはフランスでの出張から帰国する彼女を迎えに行くために羽田空港へ車で向かっており、その最中に事件が起きた。

 検察側の冒頭陳述によると、事件の発端はAの車線変更をめぐる交通トラブルだという。現場は、交通量の多い3車線道路。Bさんの車が中央車線を走行していたところに、右車線を走行していたAの車が車間距離を十分に取らずに車線変更したとされている。

 BさんがAの車を避けようと左にハンドルを切ったところ、路上で駐車していたCさんの車のドアミラーと接触。BさんはAの車を追跡し、CさんもBさんの車を追うように走行した。

 Bさんの車はAの車の前に入り込むなどしたが、Aは隙間を抜けてアクセルを踏んだ。その後、赤信号で止まったところで、Bさん、Cさんの車が後に続いて停車。Bさんは車から降りて、Aがいる運転席側にまわり、降りてくるよう説得しながらドアノブを数回ひいたり窓を叩いたというが、Aは応じなかった。

 その数秒後、今度はCさんが車から降りてきて、同じようにドアノブをひいたり、窓を叩いたりしたものの、Aが降りる様子がなかったことから、中央分離帯に移動して110番通報をした。

◆Bさんをボンネットに乗り上げて176メートル走行

 そしてBさんは、Aの車を発進させまいとフロント部分に移動。青信号に変わり、AはBさんを避けながら発進しようと、左にハンドルを切った。だが、Bさんは瞬時に左側へ移動。そこで、Aは右にハンドルを切ったところ、突然制止しようと中央分離帯から飛び出してきたCさんに衝突したのだ。

 Cさんに衝突した直後、Bさんにも衝突。Bさんがボンネット上にうつ伏せの状態で身を乗り上げたまま、176メートルも走行したところで、転落。この時、最大で時速約64kmものスピードだったという。そのまま、Aの車は走り去っていった。

 これよって、Bさんは右ひざを骨折するなどの全治2か月の重傷。Cさんも、左ひざを打撲するなど全治1週間の傷を負った。検察側は、AがBさんに対して殺意をもって車を発進させたとする殺人未遂と、Cさんに対する傷害罪で起訴。

 しかし、Aは起訴内容の一部を否認。弁護側も、Aは交通トラブルになっていたことに気づかず、Bさんらは事件当時「降りろ」など威迫してきたことから、被告人が「ヤクザ」などと勘違いし自身を防衛しようしたところ、誤って過剰な防衛行為をしてしまった「誤想過剰防衛」で減刑を主張した。

 一方で、検察側は冒頭陳述で、Bさんらは「Aを威迫するほどの大声を発してはいない」と述べた。


配信元: 日刊SPA!

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