お酒の原材料7…ブドウ
―古代から愛飲されるワインの原料となるつる性果物

世界で最も多くの地域で飲まれているお酒の1つ、ワイン。その原料となるのは、言わずと知れたブドウです。日本語で「葡萄酒」ともいわれるとおり、ブドウ果汁を発酵させた醸造酒で、白ワインも赤ワインも、それぞれに使われるブドウ品種は非常に多種多様ですが、ここでは代表的な品種4種と、その特徴について簡単にご紹介します。

1. シャルドネ(Chardonnay)
特徴:
白ワインの王様とも呼ばれる品種で、世界中で栽培されています。中立的な味わいで、栽培地や醸造方法によってさまざまなスタイルに変化します。
味わい:
冷涼な地域: リンゴや柑橘系の爽やかな酸味とミネラル感
温暖な地域: トロピカルフルーツや蜂蜜のような豊かな風味
2. ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)
特徴:
シャルドネと並ぶ人気品種で、ハーブや柑橘系の香りが特徴です。
味わい:
冷涼な地域: グレープフルーツやハーブの爽やかな香り
温暖な地域: パッションフルーツやグーズベリーのような甘酸っぱい香り

3. カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)
特徴:
赤ワインの王様とも呼ばれる品種で、世界中で栽培されています。タンニンが豊富で、力強く、長期熟成に向いています。
味わい:
カシスやブラックベリーのような黒系果実の香りが特徴
3. シラー(Syrah)
特徴:
南フランスやオーストラリアのワインなどに多く見られ、小粒で果皮が厚いのが特徴。タンニンが豊富で、長期熟成に向いています。
味わい:
ブラックベリーやスミレなどの香りに黒コショウのようなスパイシーさが特徴

お酒の原材料8…アガベ
―世界で親しまれるメキシコの地酒テキーラをつくる多肉植物

テキーラは、メキシコを代表する蒸留酒で、その独特な風味と歴史から世界中で愛されています。俗に「サボテンから作られる」などと言われることがありますが、正確にはアガベ(リュウゼツラン)から作られるお酒です。飲み方としては、ストレートで、岩塩とライムを添えて飲むスタイルが有名。ただし、テキーラはアルコール度数が高いため、飲みすぎには注意が必要です。

豆知識:テキーラに利用されるアガベの品種
テキーラを名乗るためには、
- メキシコ国内のハリスコ州とその周辺の指定された地域で栽培された、アガベ・テキラナ・ウェーバー・ブルー(Agave tequilana Weber var. azul)という特定のアガベ植物を原料としていること。
- メキシコの公式規格(NOM)に沿って製造されていること。
- アルコール度数が35~55%であること。
が条件となっています。

アガベの仲間は、近年注目が集まっているガーデンプランツ。ドライガーデンにも向き、耐寒性の高い品種を選べば地植えでもローメンテナンスで栽培できるため、大株に育ててシンボリックに植栽されている光景も見ることができます。
庭でダイナミックオーナメンタルに育てたい耐寒性アガベ 概要編 アガベ(リュウゼツラン)奇跡の開花! ニュースでも話題になった貴重な2種の花を公開8種のアルコール飲料の原材料となる植物を紹介してきましたが、いかがでしたか? 今日の一杯を味わうときは、ぜひ「どんな植物から生まれたのか」を思い浮かべてみてください。きっと、また違った味わいの美味しい“一杯”が楽しめるはずです。酒は百薬の長と言われますが、まあ、ほどほどに楽しみましょうね。
Credit 文 / 遠藤 昭 - 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー -
えんどう・あきら/30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)、『はじめてのオージープランツ図鑑』(青春出版)。
