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人口も少ない、立地も悪い…ビジネスに不利な米国の「へんぴな州」が世界の富裕層から注目を集めているワケ【国際税務の専門家が解説】

人口も少ない、立地も悪い…ビジネスに不利な米国の「へんぴな州」が世界の富裕層から注目を集めているワケ【国際税務の専門家が解説】

連邦税と州税の2種類の相続税が存在する米国。州によって課税の有無や控除額が異なり、居住地によって相続税額が大きく変わるのが実情です。しかし、そんな複雑で重い税制を抱える米国のなかに、相続税も所得税もゼロ、しかも国際的な規制の対象外という、まるで“実質的タックスヘイブン”ともいえる州が存在します。本記事では、米国の税制の特徴をおさえたうえで、世界の富裕層が注目するその州の名前と特徴についてみていきましょう。

連邦税と州税…「相続税」が2種類ある米国

米国には、連邦税としての相続税(遺産税)と、州ごとに定められた「州相続税」の2種類が存在します。連邦相続税は、被相続人の遺産全体に対して課されるため、居住する州にかかわらず税額に違いはありません。一方、州相続税は、課税する・しないが州によって異なり、居住地によって相続税の負担が大きく変わるのが特徴です。

この連邦税と州税の「二重課税」は問題となることもあります。連邦相続税申告書(Form 706)では、「州相続税控除」が認められており、州税として納めた金額は連邦税の計算上控除されます。すなわち、連邦相続税の一部が州に移転する仕組みとなっています。

2025年に改正されたいわゆる「トランプ減税法」により、連邦相続税の基礎控除額は1,500万ドル(約23億円)に引き上げられました。一方で、州相続税の基礎控除額は州ごとに異なり、2023年時点で最も高いのはニューヨーク州の658万ドル(約10億円)です。

つまり遺産額によっては、連邦税は非課税であっても、州税が課されるケースがあるということです。

全米50州のうち、相続税が課される州はいくつ? 

米国の連邦相続税は「遺産税方式」ですが、同様の方式を採用している州は全米50州のうち以下の13州です。

イリノイ州、オレゴン州、コネチカット州、コロンビア特別区、ニューヨーク州、バーモント州、ハワイ州、マサチューセッツ州、ミネソタ州、メイン州、メリーランド州、ロードアイラン州、ワシントン州

一方、「遺産取得税方式」を採用している州は6州で、アイオワ州、ケンタッキー州、ニュージャージー州、ネブラスカ州、ペンシルバニア州、メリーランド州です。なお、メリーランド州は遺産税方式と遺産取得税方式を併用しています。

このように、50州のうち18州で相続税が課されていますが、連邦税との二重課税については控除により調整されます。控除額および税率は州により異なります。

「所得税」もかかる州・かからない州がある

また、相続とは別に、個人所得には連邦所得税に加えて州所得税が課される場合があります。ただし、この州所得税についても、州によって課税の有無が異なります。

富裕層が相続対策として居住地を検討する際には、相続税とあわせて州所得税も重要な検討要素となります。

なお、州所得税を課さない州は、アラスカ州、フロリダ州、ネバタ州、サウスダコタ州、テネシー州、テキサス州、ワシントン州、ワイオミング州の8州です。一方、州所得税の最高税率が10%を超える州としては、カリフォルニア州(13.3%)、ハワイ州(11.0%)、ニュージャージー州(10.75%)が挙げられます。

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