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お金、好奇心、承認欲求……セクシー女優になる「理由」に比べ、セクシー女優を辞めた「その後」は、あまり大きく語られることはない。
引退後も知名度を武器にインフルエンサーやタレントとして活躍する者もいるが、それはあくまでもレアケース。セクシー女優としての過去を「なかったもの」とする者も数多くいる。就職、結婚、子育てなど、その後の人生の選択肢を阻む“足枷”になるからだ。

◆ネットで身バレして“現役早大生セクシー女優”として話題に

六本木の街に夜の気配が漂い始める頃、神野藍は指定した待ち合わせ時間よりも早く到着していた。神野藍、セクシー女優時代の名前は渡辺まお。2022年に引退し、現在は正社員として働くかたわら文筆家としても活動をしている。
「就活のときって、身元調査されるっていうじゃないですか。私の場合、本名で検索するとまっさきに『渡辺まお』の名前が出てくる状態だったので、普通に大手企業に就職するのは難しいなって思って就活は諦めました。そんなとき、知り合いに紹介してもらって、今の会社で運良く働けることになったんです」
神野がセクシー女優としてデビューしたのは2020年5月、世間では新型コロナウイルスが猛威を振るい、「緊急事態宣言」が発出された頃だ。
「デビュー当初は『現役女子大生女優』としてデビューしたんですけど、すぐにネット上で身バレして、“現役早大生”としてメディアにも取り上げられるようになりました」
◆常に“見えない敵”と戦っているような状態

「今ってどんなに『週刊誌の取材NG』とかパブの制限をしたところで 『どうせネットやSNSがあるし、バレるときはバレる』と周りの大人たちが言っていました。私としても“どうせやるんだったら全開でいこう”という思いもありましたね。
でも『現役早大生』という肩書が話題になり、ネット上では毎日のように嫌なコメントが来るようになって。あの頃は『ここで負けたら向こうの思うツボ、ガマンしないと!』と自分に言い聞かせて、常に“見えない敵”と戦っているような状態でした。いま思うとだいぶ無理していたかな」

