◆セクシー女優になることは「人生の起爆スイッチ」だった

「もともと性行為は嫌いじゃなかったし、好奇心もあった。でもセクシー女優になることは『人生の起爆スイッチ』のように思えたんです。なにかこれまでの人生を変えたいというか……。
もし他の選択肢があったらセクシー女優の道を選ばなかったかもしれない。でもあのときは『差し出されたプレゼント』に思えたし、それしかなかった。
いま思えば、いろんな人と話をするとか、別の方法もたくさんあっただろうけど、当時はどんなふうに人生を変えていいのかわからなかったのも事実ですね」
大胆な行動は、ある種のショック療法のような響きすらある。もちろん「人生を変えたい」と思ったところで、供給過多な業界において、人気女優になれるとも限らない。
「あの頃は『ちょっとアホだな』って思うこともあるんですけど、自分の“性的資本”をうまくお金に替えられたのはよかったのかな。
あのときの“正解”を否定する気はないんですよね。セクシー女優になったことでいろんな人に出会えて、人とのつながりや仲のいい友達もできて、『あの選択は間違いではなかったな』って思うんです」
人生の選択肢に、完全な“正解”はない。その選択肢を正解にしていくのはあくまでも自分——神野の言葉の端々には、そんな人生への決意が表れた気がした。
<取材・文/アケミン、撮影/藤井厚年>
【アケミン】
週刊SPA!をはじめエンタメからビジネスまで執筆。Twitter :@AkeMin_desu

