◆「年収2000万円以上」の男性と出会うも…
実際にコンスタントに稼いでいる男性にも出会えたが、縁がなかったこともある。「不動産経営の男性は、年収が2000万円以上ありましたが、『今すぐ子ども産める?』という勢いで、焦っていました。結局、『子どもを今すぐ産んでくれないなら嫌だ』と振られてしまいました」
年収の巧妙な誤魔化しにも驚くが、もっと大胆な場所を誤魔化す男性もいる。
「結構多いのは身長ですね。プロフィール欄に書く身長と体重は自己申告なので。私は175センチくらいあるといいなと思っているのですが、明らかに170センチあるか微妙な男性が来たこともありました」
◆「婚活が趣味」という指摘は図星か
危ない目に遭ったこともなくはない。「マッチングアプリをしていた頃は、車デートでホテルに連れ込まれそうになりました。車を降りて、相手の男性に『お車代』を渡して帰ってもらいました。本来の『お車代』じゃない気もしますが(笑)」
完璧な人間はいないとはいえ、こうしたネガティブな側面によって婚活へのモチベーションは落ちることはないのか。だがヌシさんは笑顔で首を振る。
「楽しいですよ、これまで出会えなかった人に会って話ができるのは、結果がどうであれ素敵な時間です。そういえば、ある男性から『君は婚活が趣味であって、結婚がしたいんじゃないんじゃないの?』と言われたことがあります。結婚は本当にしたいですが、婚活が趣味というのは当たっているかもしれません」
ヌシさんが婚活に全霊を捧げるのには理由がある。彼女は「平凡な女子です」と本人が言うように、年収300万円ほどのOLだ。高校時代にこそ有名セクシー女優の追っかけをするなど熱を上げたが、現在は同じ熱量で入れ込むものはない。婚活で出会う「はじめまして」の瞬間に一番ときめくのだという。
「家と会社の往復の生活で、特に趣味があるわけではない私にとって、婚活は潤いなのかもしれません。仮に仕事だけしかしていなかったら聞けない話、知らない世界があるのですから」
これまで婚活に費やしたお金は300万円以上。ここまで傾注したものは、確かに立派な趣味だろう。

