取締役会は株主が求める成果を上げているのか
効果的な取締役会とは、メンバー構成や組織の構造、実際の行動によって定義付けられます。たとえば、取締役の過半数が独立した監督者であり、多様なスキルや経歴を持っていること、複数他社との兼任をはじめ過度な外部活動がない点などが優れた取締役会を構成する条件になるでしょう。
取締役会における委員会や議決基準といった構造も説明責任を果たすうえで欠かせません。そして報酬の業績との連動、規律ある資本配分といった行動によって取締役会は価値を示します。
もちろん、すべての取締役会がこれらの基準を満たすわけではありません。投資家の利益の観点から見て、取締役会の方針が適切ではないと判断した場合、ABでは担当取締役に説明責任の遂行を求めることがあります。
たとえば、ある米国の大手銀行に対しては、過去のガバナンス上の欠落を認識し、取締役や経営幹部と複数年にわたりエンゲージメントを行うとともに、関連する取締役の選任には一貫して反対票を投じてきました。
最終的にこの銀行は、経営陣の報酬体系を改善し、全社的な企業カルチャーの改革を通じて監督メカニズムを変えました。
この企業の取締役会は株主が求める成果を上げているのか――。取締役の選任を突き詰めれば、投資家はシンプルな問いかけに立ち返ることになるはずです。
期待に応えられない取締役会は思わしくない結果をもたらし、全面的に支持できる取締役会は優れたパフォーマンスを期待できます。投資家からの監視を自覚しているとき、取締役会はうまく機能すると考えます。
〈出典〉
■https://corpgov.law.harvard.edu/2025/03/10/2025-proxy-season-preview/
■https://www.alliancebernstein.co.jp/knowledge/29285.html
■https://www.alliancebernstein.co.jp/knowledge/32604.html
※ABは、エンゲージメントを行うことが顧客の金銭的利益に資すると判断する場合にエンゲージメントを行います。
臼井 はるな
アライアンス・バーンスタイン株式会社
責任投資ヘッド
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