今回は、“譲る気持ちを忘れてしまった人たち”に出会い、思わず苦笑してしまったという2人のエピソードを紹介する。
◆一瞬の隙を狙う“座席争奪バトル”

「ぎゅうぎゅうに押し込まれて、息をするのもやっと……。でも、座席の前に立てた日は“今日は運がいい”って思うんです」
その日も、目の前に座る男性が降りる気配を見せ、ようやく“座る”順番が回ってきた。
「男性が立ちあがった瞬間、『よし、次は私』と身構えたんです。でも、その一瞬の隙にやられました」
横から勢いよく割り込んできたのは、元気なおばあさんだった。
「まるで“スライディング”みたいでした。え?って思っている間に、もう片足が座席の前に入っていました」
そのとき、さらにもう一人、隣からハイヒールの音を響かせて女性が現れたそうだ。
「ブランドのバッグを振り回して、『私が座る!』って感じで突っ込んできて、もうカオスでしたね」
◆足を踏まれて終わった朝の通勤ラッシュ
狭い車内は、たちまち小さな“戦場”になったという。
「おばあさんは肘でぐいぐい押してくるし、OLはバッグで防御してくるし。しかもその真ん中に私がいるので。動けないし、足を踏まれて痛いし、なんかもう笑えてきました。朝から『何しているんだろう』ってなりました」
最終的に席を勝ち取ったのは、おばあさんだったようだ。
「勝者の顔でした。OLは舌打ちしていましたけど……。私は、足を踏まれただけで終わり。『次こそは座る』って思って諦めました」と田辺さんは苦笑した。

