◆原始的すぎる庭の仕掛けは大成功
その夜、斉藤さんはなんと庭の角にスコップで穴を掘り、ネットで覆い、その上を人工芝でふたをするという“原始的な仕掛け”を施しました。元々芝生だったその周辺は、斉藤さんの仕掛けは全く目立たなかったといいます。
「正直、これで本当に効果があるのか半信半疑でした。でも、やらないよりはマシだと思ったんです。随分と悩みましたが決断したんです」と斉藤さん。
翌朝、見事に計画は現実となりました。雨で少し濡れた人工芝に、またもやショートカットの目的でいつものスーツ姿の男性が足を踏み入れてきたのです。
「男性は穴につまづいて転んでいました。びっくりしたのか『うおっ』と叫んだあと、一目散にその場から逃げて行きました。朝露でスーツが濡れて泥だらけ。『ざまあみろ』でしたけどね」
◆平和が戻った我が家の庭
この一件以降、男性が庭を横切ることはなくなったそうです。「結構勇気入りましたけど、実行してよかったと思っています。もちろんやり方は原始的だけど、あれ以来、芝生はきれいなままです」と満足そうな表情で話す斉藤さん。
市の住宅トラブル担当者によると、敷地内の権利は法律で保護されており、「他人が勝手に通行するのを防ぐことは、正当な行為」とのことらしいです。斉藤さんは今回の体験を通じて、自己防衛の重要性を実感したそうです。
「これからは、庭の手入れも心置きなく楽しめそうです。芝生がきれいだと、気分もいいですからね」と、笑みを浮かべながら話してくれました。
長年の悩みを解決した“原始的な庭の仕掛け”。ちょっとした勇気が平和をもたらすことを、斉藤さんは身をもって実感したといいます。
<TEXT/八木正規>
【八木正規】
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営

