ツワブキの栽培12カ月カレンダー
開花時期:10〜12月
植え替え適期:4月頃
肥料:4〜9月
植え付け:3〜4月、9〜11月
種まき:2~3月
ツワブキの栽培環境

日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】
明るい日陰がおすすめです。斑入り品種の場合は、あまり日当たりが悪いと班が出なくなってしまうので、ある程度の日当たりを確保しましょう。
【日当たり/屋内】
日なたか半日陰がよいでしょう。ただし、屋内であっても日差しが強い窓辺などに置くと葉焼けを起こす場合があるので、カーテンなどで日差しを調節するようにしましょう。
【置き場所】
ツワブキは丈夫な植物なので、置き場所は選ばないものの、ある程度の日当たりは必要です。土質もそれほど選びませんが、水はけのよい土壌を好みます。
耐寒性・耐暑性
ツワブキは暑さに強い植物ですが 、真夏の日差しに当たると葉焼けを起こす場合があるので、直射日光が当たらない場所で育てるようにしましょう。また、比較的耐寒性も強く、マイナス10℃程度まで耐える品種もあります。ただし、品種によっては寒さに弱いものもあるので、その場合は室内に入れるか、マルチングするなどの対策を講じましょう。
ツワブキの育て方のポイント
用土

【地植え】
植え付けの約2週間前に、腐葉土や堆肥、緩効性肥料少量を混ぜ込んでよく耕してください。水はけのよい環境を好むので、10〜20cmほど盛り土をして周囲よりも高くしておくとよいでしょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。
【鉢植え】
草花用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。
水やり

水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。
真夏に水やりする場合、気温の高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がって株が弱ってしまいます。朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。
また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。
【地植え】
根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら水やりをして補います。
【鉢植え】
日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、いつでもジメジメした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がってきたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。また、冬は土が乾燥しづらくなるので、与える頻度を控えめにしつつ、適宜水やりを続けてください。
肥料

【地植え】
強健な性質なので、植え付け時に元肥として緩効性肥料を施してあれば、追肥の必要はありません。株の生育に勢いがない場合は、液肥を与えて様子を見てください。
【鉢植え】
2月下旬〜3月中旬と6月頃、11月頃に緩効性化成肥料を少量、株の周囲にまきます。スコップなどで軽く耕し、土に馴染ませておきましょう。
注意する病害虫

【病気】
ツワブキに発生しやすい病気は、うどんこ病、褐斑病などです。
うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がるので注意。対処せずにそのままにしておくと光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。症状が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。
褐斑病は、カビによる伝染性の病気です。主に葉に褐色またはくすんだ茶色の斑点が現れ、下葉から枯れ上がっていきます。雨が多い時期に発生しやすいのが特徴です。発症した葉を見つけたら、早々に切り取って処分し、周囲に蔓延するのを防ぎましょう。適用のある薬剤を葉の表と裏に散布して、防除します。
【害虫】
ツワブキに発生しやすい害虫は、シンクイムシなどです。
シンクイムシは、キクスイカミキリの幼虫で、主に夏から秋に発生しやすくなります。葉柄に産み付けられた卵から幼虫が孵り、穴をあけて中に侵入して内部を食い荒らすので注意。被害が進むと根茎まで旺盛に食害し、株が著しく弱って葉が枯れ始めます。株に異変があれば、根元を探して幼虫を捕殺してください。食用にする予定がなければ、適用のある薬剤を散布して防除しましょう。
ツワブキの詳しい育て方
苗の選び方
ツワブキの苗は、ホームセンターや園芸店、インターネットなどで入手できます。苗を選ぶ際は、葉に艶があり、茎がしっかりとしているものがおすすめです。鉢植えや盆栽などで楽しみたい場合は、小型品種を選ぶとよいでしょう。
植え付け・植え替え

ツワブキの植え付け・植え替えの適期は、4〜5月か、9〜10月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。
【地植え】
土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも1回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、20〜40cmくらいの間隔を取ってください。
庭で育てている場合、環境に合えば植え替える必要はありません。ただし、植え付けから数年が経って株が込み合いすぎているようなら、掘り上げて株分けしてください。改めて植え直し、株の若返りをはかりましょう。
【鉢植え】
鉢で栽培する場合は、5〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。
鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。
花がら摘み
花が終わったら花がらを摘み、花茎を切り捨てます。種子を取りたい場合は、花を残しておくと、種子をつけます。種子にはたんぽぽのような綿毛があり、飛散しやすいので早めに採取しましょう。
剪定・切り戻し
ツワブキは特に剪定の必要がありません。枯れた葉や弱った葉は、付け根からカットして取り除いておきましょう。
増やし方

ツワブキは、種まき、株分け、根伏せの方法で増やすことが可能です。それぞれの作業について、詳しく解説します。
【種まき】
種まきのメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなります。
ツワブキの種子は市販されていませんが、植え付けたツワブキが開花した後につけた種子を採取し、播いて増やすことができます。開花した後にタンポポのようなふわふわとした綿毛をつけるので、飛んでいく前に採取し、密閉できる保存袋に入れて冷暗所で保管しておきましょう。ツワブキの種まき適期は2〜3月です。
黒ポットに市販の草花用培養土を入れ、種を数粒ずつ播きます。ツワブキは好光性種子といって、発芽に太陽の光を必要とするので、土をかぶせる必要はありません。最後にたっぷりと水やりをしましょう。発芽までは風通しのよい半日陰に置き、乾燥しないように適度な水分の管理をしてください。発芽後は、日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。本葉が2〜3枚ついて込み合ってきたら、適宜間引いて生育のよい苗を残しましょう。本葉が3〜5枚ついてしっかりした苗に育ったら、植えたい場所に定植します。
※園芸品種の場合、親と同じ草姿になるとは限りません。
【株分け】
ツワブキの株分けの適期は、4〜5月中旬か10月頃です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて4〜5芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が大きく成長し、株が増えていくというわけです。
【根伏せ】
根伏せの適期は、生育期の4〜10月頃です。
まず、黒ポットに市販の草花用培養土を入れて、十分に湿らせておきましょう。ツワブキを掘り上げた際に、比較的太い根を3〜4cmくらいにカットします。黒ポットにその根を平らに置き、2cmほど土をかぶせておきます。水切れしないように管理すると、根から芽が出して、新しい個体として生育し始めます。しばらく育苗し、ポットに十分に根が回った頃に、植えたい場所に植え付けます。根伏せのメリットは、親株とまったく同じクローンになることです。
ツワブキ栽培でよくあるトラブルQ&A

葉が変色する
ツワブキは丈夫で、どのような環境でも比較的育てやすい植物ですが、夏の直射日光や西日によって葉焼けを起こすことがあります。また、乾燥や根腐れによって葉が変色することもあります。そのような場合は環境を見直し、風通しのよい半日陰などの場所に移してみましょう。
葉が黒くなる病気が発生することもあります。病気が疑われる場合は、他の葉に広がるのを避けるために、早めに葉を根元から切り取るようにしましょう。とくに、斑入りの品種は葉焼けや病気を起こしやすいので、注意が必要です。
花が咲かない
ツワブキの花が咲かない原因にはいくつかありますが、もっとも一般的な原因は日照不足です。ツワブキは半日陰の環境を好みますが、あまりに日が当たらないと花が咲かなくなります。また、水不足も花が咲かない原因になります。ただし、水をやりすぎると根腐れを起こすので、土の表面が乾いたら水をやるようにして、土壌の湿度を一定に保つようにしましょう。窒素、リン、カリウムなどの栄養不足も花が咲きにくくなるので、適切な施肥を行いましょう。
ツワブキを美味しく食べるには

食べる際の注意点
ツワブキは、主にまだアクが少ない地下茎から生えてきたばかりの若い葉柄を採取して、食用にします。まだアクが少ないとはいえ、下処理としてアク抜きは必要です。
根元を切り取って半分に切り、湯を沸かした鍋に30秒ほど入れます。
すぐに水にさらし、水気を切った後に皮を剥き、食べやすい大きさに切ります。その後、さらに水にさらします。
再び湯を沸かし、適宜塩を入れてもう一度2分ほど茹でます。
最後に3時間ほど水にさらしたら、アク抜き終了です。
なお、ツワブキには、ピロリジジンアルカロイドという毒性成分が含まれています。この成分は、発がん性や肝臓障害の原因になるとされています。ピロリジジンアルカロイドは加熱しても壊れにくいとされているので、アク抜きは丁寧かつ、十分に行いましょう。子供やペットが誤って生食することのないよう、注意してください。
食べ方

ツワブキは、いろいろな食べ方を楽しめます。アク抜きしたツワブキを炒め煮にしてキンピラにしたり、衣をつけてさっくり揚げた天ぷらにしたり、煮物にしたり。独特の香りと食感を楽しんでください。
ツワブキを植えてはいけないと言われる理由は?

ツワブキは、毒性があることや、繁殖力が旺盛で増えすぎてしまうことなどから、植えてはいけないと言われることもあります。
前述したように、ツワブキにはピロリジジンアルカロイドという毒性の成分があります。ただし、アク抜きをせずに生食したり、大量に摂取したりしなければ問題ありません。
また、ツワブキの種子はタンポポのような綿毛が付いているので、風により飛散し、着地した場所で発芽します。さらに、地下でも根茎を伸ばして広がります。
ツワブキが増えすぎるのを防ぐために、花が終わったら早めに花がらを摘み、花茎を切るようにしましょう。地下茎の増殖は、株分けや根止めによって防げます。鉢植えであれば、根が広がらないので安心です。
花も葉も楽しめ、食用になるツワブキを育ててみよう!

斑入りの品種が多く見つかるエバーグリーンとして、みずみずしいグリーンの葉姿を楽しめるうえに、秋から初冬にかけてはマーガレットに似た花を多数咲かせて華やかに彩るツワブキ。公共空間でもよく植えられていることから分かるように、ローメンテナンスで長生きする植物です。ぜひ庭に取り入れて、丸っこい葉姿を愛でてはいかがでしょうか。
Credit 文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
