ジュンヤ・ワタナベ
ファッションウィーク期間中の土曜日といえば、コム・デ・ギャルソンの3ブランドがショーを行うため、毎シーズン、この日を「コム・デ・ギャルソンデー」と呼ぶ人が多いようです。まずはジュンヤ・ワタナベからスタート。

うれしいことに、お隣の席は有名なイギリス人帽子デザイナー、スティーブン・ジョーンズでした。英国王室の帽子から、ディオールやコム・デ・ギャルソン、アレクサンダー・マックイーンなどのために独創的な帽子を作っています。先シーズン、パリに来た時、パリ市立ガリエラ美術館で展覧会が開催されていたので、見に行ってきました。既成概念を打ち砕き、そして美しい帽子の数々に感銘を受けました。とてもきさくで楽しい方で、ショーが始まるまでの時間、帽子作りのこと、展覧会のことなどいろいろ話をし、写真も撮らせてもらいました。
さて、今シーズンのテーマは「日常から生まれた非日常のアート」。コレクションノートには「今までとは異なるアプローチで、アートピースのような服を作ることを目指した。
身近にある既製品(レディメイド)を素材の一つと考え、それらを本来の用途とは異なる文脈で用いて、常識的な手法では生み出せないフォルムの探求する事がテーマ」とあります。



モデルたちは手元に「DRESS WITH STRAW HATS」「DRESS COAT WITH HANGERS」など、服の説明を書いたカードを持って歩いてきました。まるでモデルが番号札を持ってお客様があつまるサロンで新作を披露した、かつてのオートクチュールのようです。説明にあるように、靴や帽子、下着やハンガーなど身近な素材を使っています。靴などは既製品ではなく、このために作ったのだそう。タイツとワイヤーで形作ったドレスもありました。たしかに服という形をとって、新しい美しさを生み出したアートピースでした。
ノワール・ケイ・ニノミヤ
コレクションノートには「Pure and playful」というテーマが書かれていました。「シンプルで即興性のある、子供の遊びのような感覚を大切にしてものづくりに取り組んだ。スター(星)が今回のキーポイント。希望・喜びのシンボルであり、誰にでもその意味が伝わるシンプルなモチーフとして選んだ」とのことです。



長谷川白紙の手がける音楽が流れる中、詩人でアーティストの青柳菜摘が詩を朗読。不思議な空気が漂う中、モデルが登場します。星のモチーフは随所に。でも子供のころにイメージしたようなキラキラする星とは異なり、星のモチーフをつなげたり、ハーネスに星をつけたり。やはりここは“ノワール流”の星の数々です。靴はジミー チュウとのコラボレーション。そういえば、ジミー チュウのアイコンモチーフはスタースタッズでした。
