今回取材に応じてくれた男性も、そうしたツールを駆使し短期間で犯人検挙ができたそうです。こうした冷静な対応で”あおり運転”が減ることを願うばかりです。

◆恐怖の通勤路で起きた突然の出来事
「いつもの道を走っていただけなんです」と語るのは取材に応じてくれた横溝さん(仮名・36歳)です。彼が車を走らせていたのは、通勤で日常的に使う県道。免許を取得したのは30歳を過ぎてからで、運転は今も慎重そのものだといいます。
その日も制限速度を守り、淡々とハンドルを握っていました。ところが後方から突然、アッパーライトを浴びせるように近づいてくる車が出現したと言います。
「ライトで照らされるたびに背筋がぞっとしました。スピードを上げるわけにもいかず、ただ怖いという気持ちだけが強くて……」と横溝さんは語ります。
片側一車線の道。追い越しは不可能です。やがてクラクションの連打、左右に大きく揺さぶる蛇行運転と、明らかなあおり行為が始まりました。彼は必死にハンドルを握りしめ、国道に出るまでただ耐えるしかなかったそうです。
◆冷静さを支えたのは“ドライブレコーダー”
恐怖に震えながらも、横溝さんはある動画を思い出したといいます。「最近YouTubeで見たんです。ドライブレコーダーに記録さえあれば、警察はすぐに動いてくれるって。ナンバープレートが映れば割り出しは簡単だそうで」
その知識が、彼を落ち着かせました。
「この状況を“証拠”として残そう」と気持ちを切り替えたのです。
幸いなことに、横溝さんの車には360度撮影できる最新型のドライブレコーダーが搭載されていました。前方だけでなく、後方や側面の危険な挙動まで克明に映し出せる優れものです。
「クラクションを鳴らされるたびに心臓が跳ねましたけど、『これで検挙できる』と思って耐えられたんです」
そう語る表情には、当時の緊張がまだ残っていました。

