◆ネットで広がった“あおりの証拠”
ようやく国道に差しかかったところで、加害車両はどこかへ走り去りました。安堵の息をついた横溝さんは、帰宅後すぐに映像を確認。その臨場感のある一部始終をSNSに投稿しました。
「正直、公開するか迷いました。でも、同じように被害に遭う人がいるなら、防止の一助になると思ったんです」
その判断はすぐに大きな反響を呼びました。映像は瞬く間に拡散され、コメント欄には「危険すぎる」「早く捕まってほしい」といった声が相次いだそうです。
結局のところ、横溝さんが警察に相談する前に、第三者が通報。SNSの拡散力が後押しとなり、加害者は短期間で検挙されることになりました。
「まさか、あんなに早く動いてくれるとは思いませんでした。SNSって怖さもありますけど、こういうときには本当に力になるんですね」
横溝さんはそう感慨を込めます。
◆あおり運転の抑止力として
今回の件を通して横溝さんが強調するのは、冷静さの大切さでした。「逃げ場がなくて怖いのは確かです。でも、焦ってスピードを上げたり、挑発に乗ったりすると、もっと危険な事故につながりかねません。ドライブレコーダーが“盾”になってくれると思えば、耐えられるんじゃないでしょうか」
また、SNS拡散の効果についても言及しました。
「僕一人の力では加害者を追い詰めることはできなかったと思います。見てくれた人たちが声をあげてくれたからこそ、早い検挙につながったんです」
ドライブレコーダーの普及とSNSの力。その二つが組み合わさった今回のケースは、あおり運転の抑止力として大きな意味を持つと言えます。
「もう二度とこんな思いはしたくない。でも、もし同じような被害に遭った人がいたら、証拠を残すこと、冷静でいることを伝えたいです」
横溝さんはそう静かに語ってくれました。
<TEXT/八木正規>
【八木正規】
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営

