◆高速道路で続く危険な挑発…気持ちが救われた瞬間

「レンタカー会社の人に、『最近、“あおり運転”が多いので気をつけてください』と言われたんですが、そのときは“他人事”でした」
高速道路を走りはじめてまもなく、助手席の友人が……。
「後ろの車、なんか変じゃない?」
ミラーを見ると、黒いベンツが近づいてきていた。ベンツは車間を詰めたり離したり、昼間なのにハイビームを点灯させたという。
「怖くて、どこかに逃げたいと思いましたが、最寄りのパーキングまでは60キロほどありました」
やがてベンツは、小泉さんの車を追い抜いて前に割り込み、急ブレーキを何度も踏んだ。
「警察に連絡するかどうかを話しながら、とにかく事故を起こさないように必死でした」
そのとき、背後からサイレンの音が鳴り響いた。小泉さんが振り返ると、「黒のベンツ、後ろについてきてください」と警告していたのだ。
警察はすぐに車を止め、事情聴取をはじめたそうだ。
「助けてもらえてホッとしました。偶然にも覆面パトカーが後ろにいたのは、奇跡みたいでした」
その後、小泉さんたちは無事に旅行を楽しむことができた。
「ドライブレコーダーの映像も渡したんです。あの一件で、“いつでも証拠を残せる準備が大事”だと実感しました」
<取材・文/chimi86>
【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

