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医師が患者への説明を「あえて控えるケース」3つ…納得できる診療を受けるために、患者が心掛けるべきこと【医師が解説】

医師が患者への説明を「あえて控えるケース」3つ…納得できる診療を受けるために、患者が心掛けるべきこと【医師が解説】

より良い診療のために患者ができること

では、患者側には何ができるでしょうか。

まず第一に、医師の話を最後まで聴くことです。不安や疑問があっても、説明が終わるまでは割り込まない。理解できたときにはうなずき、適切な相づちで意思表示をする。それだけで、医師は考えを整理して伝えきることができ、続く質問も落ち着いて受け止められる態勢が整います。

第二に、自分の考えを伝えるタイミングを選ぶことです。「こういう情報を見たのですが、先生はどう思われますか」などの質問は、説明を終えたあとに尋ねるという配慮をするだけで、対話は格段にスムーズになります。

第三に、わからないときは正直に伝えること。「よく理解できなかったので、もう一度お願いします」と言えば、医師は説明の方法を変えられます。「わからない」と言わずに黙ってしまうと、医師は「理解された」と誤解して次に進んでしまうことがあります。

こうした姿勢の積み重ねが、医師に「伝わっている」という安心感を与えます。安心感が生まれると、医師はさらに丁寧に説明しようとします。逆に、無表情で反応が乏しいと、医師は通り一遍の説明を短く切り上げてしまいます。医師の説明量は患者の反応に左右されるのです。

まとめ

医療現場では、信頼の積み重ねが説明の深さを決めていきます。誠実に情報を伝え、医師の指示を理解しようと努める患者ほど、説明の内容は豊かになります。

説明を受けても理解できなかったときは、わからなかった点を素直に伝えましょう。「それって○○○ですか」といったイエス・ノーで答えられる形の質問は避けましょう。

医療におけるコミュニケーションは、日常会話ではなく「協働作業」です。目的は、最善の診断と治療を行うことにあります。互いに同じ方向を向き、目的を共有する関係を築くことが、良い医療を支える基盤です。

患者の工夫は医療の質を左右します。聞きたいことはあらかじめ整理しておく。医師の質問には一問一答形式で、問われていることに簡潔に答える。医師の説明を遮らず聴く――この三点だけで、診療は驚くほど変わります。

良い説明は、良い聴き方と良い質問から生まれます。医師のより良い説明を引き出すためには、患者が「聴く姿勢」を整えることが不可欠です。

どうすれば医師が説明しやすいか――その視点を持つこと。それが、良い医療を引き寄せる第一歩となります。

医師の思考を止めないこと。説明を途中で断たせないこと。そして、もう一度説明したくなるような患者であること。その積み重ねが、あなた自身の患者力を高め、診療の質を根本から変えていきます。

名医は、患者によってつくられる。医師が力を発揮できるように、患者が寄り添い、支え、共に考える――この関係性こそが、現代医療における最も実践的な「患者力」なのです。

宮澤 哲夫

みやざわ耳鼻咽喉科 院長

医師・薬剤師

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