ラケナリアの育て方のポイント
ラケナリアは寒さに弱いため基本的に鉢栽培とし、季節によって適した場所に移動しながら管理しましょう。
用土

ラケナリアは、水はけのよい土壌を好みます。用土は草花用にブレンドされた市販の培養土を使うと手軽です。自身で配合土を作るなら、赤玉土6、腐葉土4の割合で混ぜて使用するとよいでしょう。
水やり

日頃の水やりを忘れずに管理します。ただし、ラケナリアは多湿を嫌うので、いつもジメジメとした状態にしておくと、根腐れの原因になってしまいます。土の表面がしっかり乾いてから、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えてください。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。
水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために茎葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。夏に休眠した後は水やりを控え、断水します。真冬には、十分に気温が上がった日中に与えるようにしましょう。
肥料

植え付けの際に、元肥として緩効性肥料を施しておきます。開花期になったら速効性のある液肥を薄めに希釈して2週間に1度を目安に、水やりがわりに与えましょう。花後も球根を充実させるために、休眠するまで同様にして液肥を与えます。基本的に肥料は控えめでよく、充実した球根であれば追肥を与えなくてもよく育ちます。
注意する病害虫

【病気】
ラケナリアはあまり病気の心配はありませんが、まれに白絹病やウイルス病を発症することがあります。
白絹病はカビが原因で、周囲に伝染しやすい病気です。根や茎に発生しやすく、発生初期は地際あたりに褐色の斑点が見られ、病状が進むと株元の土に白いカビがはびこり、やがて枯れてしまいます。病株を発見したら、周囲に蔓延させないためにただちに抜き取り、土ごと処分してください。土づくりの際に、水はけのよい環境に整えることが予防につながります。
ウイルス病はアブラムシやアザミウマ、コナジラミなどの虫が媒介となって発症します。したがって、発生しやすい時期はアブラムシなどの活動が活発な春から秋にかけて。主に花や葉に被害が発生し、モザイク模様が現れます。症状が進むとウイルスの種類によっては葉などが縮れてきたり、湾曲して変形したりし、株の生育が著しく悪くなります。治療効果のある薬剤はないので、発生したら抜き取って土ごと処分し、周囲に蔓延するのを防ぎましょう。アブラムシ対策をしておくことが予防につながります。
【害虫】
ラケナリアはあまり害虫の心配はありませんが、アブラムシやハダニが発生することがあります。
アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。
ハダニは、葉裏に寄生して吸汁する害虫です。体長は0.5mmほどと大変小さく、黄緑色や茶色い姿をしています。名前に「ダニ」がつきますが、クモの仲間です。高温で乾燥した環境を好み、梅雨明け以降に大発生しやすいので注意が必要。繁殖力が強く、被害が大きくなると、葉にクモの巣のような網が発生することもあります。ハダニは湿気を嫌うため、予防として高温乾燥期には葉裏にスプレーやシャワーなどで水をかけておくとよいでしょう。
ラケナリアの詳しい育て方
球根の選び方

球根を購入する際は、直径2〜3cmでふっくらとして充実し、重みがあるものを選びます。カビやシワが見られるものや、軽いもの、やわらかいものは、生育不良や病気を引き起こす恐れがあるため、避けたほうが無難です。ラケナリアの球根の主な販売時期は9〜10月です。花苗店やホームセンターなどで見つからない場合は、ネット通販などで入手することもできます。
植え付け

ラケナリアの球根植え付け適期は、9〜10月です。ラケナリアには11〜12月に咲く「冬咲き種」と4〜5月に咲く「春咲き種」があります。「冬咲き種」は早めの9月上旬頃に植え付け、芽吹くまで風通しがよく涼しい日陰で管理すると、1カ月ほどで発芽して12月中旬頃に開花します。春咲き種は、他の秋植え球根同様に十分気温が下がってきた10〜11月に植え付けて管理します。
鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を入れます。土の量は鉢縁から2〜3cm下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。5〜6号鉢に3〜5球を目安に、均等に間隔を取って覆土は1cm前後で浅植えにします。最後に、鉢底からたっぷりと水が流れ出すまで、十分に水やりしましょう。
日常の手入れ

【花がら摘み】
ラケナリアは次々に花が咲くので、終わった花は園芸用バサミで切り取りましょう。株まわりを清潔に保つことで、病害虫の抑制につながります。また、いつまでも終わった花を残しておくと、種子をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとしてよく花がつき、長く咲き続けてくれます。また、枯れ葉があれば適宜取り除いておきます。
冬の寒さ対策

ラケナリアは寒さに弱いので、霜が降りたり凍結したりする地域では、日当たりのよい室内や温室に移動して管理します。室内に置く場合は、暖房の風が直接当たらない場所に置きましょう。凍結の心配がなく戸外で越冬できる暖地では、日当たりのよい軒下などに置き、鉢の表土にわらやバークチップを敷き詰めてマルチングをしておきましょう。不織布でふわりと鉢を覆っておくのも有効です。
増やし方

ラケナリアは球根植物で、地下の球根が分かれて増えていくので、掘り上げて分球し、増やすことができます。大株に育って込み合っているようなら、一度掘り上げてみてください。適したタイミングは、地上部が枯れて休眠に入る頃です。たくさんついている球根を分けて、ネットなどに入れて風通しのよい半日陰などに吊り下げて保存しておきましょう。10〜11月の球根植え付け適期に植え直します。
ラケナリア栽培でよくあるトラブルと対策

ラケナリアを植えたのに、咲かない、株が弱ってきたといった困りごとはありませんか? この章では、ラケナリアのトラブルや対策についてまとめました。
花が咲かない原因
ラケナリアの花が咲かない時は、以下の4つの原因が考えられます。
1 日当たりが悪い
ラケナリアは、十分な日光を受けないと花芽が作られにくく、花が咲かなくなってしまいます。日当たりの悪い場所で管理している場合は、日当たりのよいところに移動させましょう。春の開花頃には日当たりがよくても、季節が進むと同じ場所でも日陰になることもあるので、観察してみてください。開花が終わったからといって日当たりの悪い場所へ移動せずに、休眠するまでは日なたで管理します。
2 肥料分を適切に与えていない
球根植物は、地下の球根に養分をためているので、あまり肥料を与えずともよく育ちます。特にチッソ成分の多い肥料をたくさん与えていると、茎葉ばかりが茂って花が咲かなくなってしまうことがあります。
開花期にはリン酸やカリなど開花を促進する成分が配合された液肥を与えるとよいでしょう。また開花後、茎葉が光合成を行う時期に養分を吸収できずにいると、球根に養分を備蓄できずに花が咲かなくなってしまうこともあります。開花後は、お礼肥として株を回復させるために液肥を与えましょう。また、地上部が枯れて休眠するまでは、球根を太らせる目的で定期的に液肥を与えて様子を見てください。
3 花後に葉を切ってしまった
花後に葉を切ってしまうと、光合成不足によって十分に球根に養分が蓄えられず、花芽が作られなくなることがあります。花後に花茎は切り取りますが、葉はそのまま自然に枯れるまで残しておきましょう。邪魔になるからといって、葉を切ったり、しばったりするのは禁物です。
葉が黄色くなる原因
ラケナリアの葉が黄色くなる原因は、「過湿」か「病気」が考えられます。特にラケナリアは自生地が乾燥地で多湿を嫌うため、水やりをしすぎると根腐れを起こして根が養水分を吸収できなくなり、葉にも影響して黄色くなって弱るので注意。水やりは鉢の土がしっかり乾いてから行うのが基本です。また葉が黄色くなるとともに悪臭があれば、病気にかかっている場合もあります。その際は周囲に蔓延するのを防ぐため、直ちに病変株を抜き取って処分しましょう。
ラケナリアをもっと楽しむアイデア

鉢植えアレンジと寄せ植え
草姿がコンパクトにまとまり、カラフルな花色が揃うラケナリアは、暖地では冬の寄せ植えに利用することもできます。同じ開花期のパンジーやビオラ、スイートアリッサム、ムスカリなどとブーケのような寄せ植えを作ってみましょう。脇役として銅葉や銀葉などのカラーリーフをプラスするとシックにまとまります。
ギフト用として
冬に開花するラケナリアは、ギフトに利用するのもおすすめです。花が少なくなる寒い時期に、窓辺を彩るので喜ばれます。鉢にラッピングを施し、メッセージを添えて贈っても素敵です。
冬を彩るラケナリアでガーデニングライフを豊かに

球根植物のラケナリアは、生育旺盛で放任してもよく育つため、ビギナーにも育てやすい草花の一つです。大鉢にたくさん植えて迫力を出したり、寄せ植えの一員として個性を発揮させたりと、ベランダや窓辺を華やかに彩ってはいかがでしょうか。
Credit 文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!
