いつまでも輝く女性に ranune
母さんは大丈夫だから…年金月7万円の80歳女性、55歳長男の「同居の提案」を“頑なに拒む”まさかの理由

母さんは大丈夫だから…年金月7万円の80歳女性、55歳長男の「同居の提案」を“頑なに拒む”まさかの理由

幸恵さん・一郎さん親子に潜む“思わぬリスク”

幸恵さんのように「子どもに頼らず、自分のお金で暮らす」という選択は決して悪いものではありません。「子どもに迷惑をかけている」といった気持ちから相手に気を遣ったり、罪悪感を抱いたりすることなく、自由を満喫できます。

しかし、ここで注意しておきたいのが「相続」の問題です。

息子に知らせていない4,000万円の存在は、幸恵さんの死後に相続の場で明らかになるでしょう。

もしも一郎さんに兄弟がいれば「母が隠していた財産があったのか」と驚き、分配を巡ってトラブルになる可能性があります。

まとまった金額や不動産があれば兄弟間で「取り分」をめぐる争いが起こりやすくなります。へそくりは自分の老後のために積み立てたものでも相続段階で“争族”の火種になってしまうことは珍しくありません。

争族を防ぐためにできること

幸恵さんのようなケースでは、次の3つの対策が有効です。

1.財産の見える化……エンディングノートや財産一覧を作って子どもに存在を知らせておく。

2.遺言書の作成……「誰にどのように分けるか」を明確に残しておけばトラブル防止に有効。

3.専門家への相談……第三者の専門家を活用しながら、相続税や分配方法を事前に検討する。

幸恵さんのように「家族に迷惑をかけたくない」と思う人ほど、元気なうちに準備しておきましょう。

幸恵さんが逝去…“恐れていた事態”に

一見すると「年金月7万円の厳しい生活」を送る80歳の独居老人。しかしその実態は、子どもに打ち明けていないへそくりで、悠々自適な日々を満喫する経済的に自立した女性でした。

老後を「一人で穏やかに過ごしたい」という母親の選択は尊重すべきものでしょう。しかし、相続の局面では隠された資産が大きな問題を招く恐れがあります。

実際、一郎さんは幸恵さんの死後に「母親のへそくり」を発見。

思わぬ遺産を巡って兄弟関係が悪化するなか「へそくりのことを黙っていたのは仕方ないけど、遺言書などの生前対策はきちんとやっていてほしかった」と思わずにはいられませんでした。

老後の生活を穏やかに過ごすことと、家族の絆を守ること。その両立には「正直に伝える勇気」と「事前の準備」が欠かせません。

相続は「家族の話し合い」で解決できると思われがちですが、実際には感情が絡み合って思わぬ争いに発展するケースが多くあります。

「仲が良いし大人なんだから、当人たちで話し合えば大丈夫」と考えている親は想像以上に多いです。そのため、実際には話し合いがまとまらず、家庭裁判所の調停にまで発展することも少なくありません。

「うちは大丈夫」などと油断することなく、元気なうちに財産を整理し、遺言書やエンディングノートで「遺族がもめないための指針」を遺しておきましょう。

武田 拓也
株式会社FAMORE
代表取締役

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