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「491日間、私はガザで飢えていました」元人質イスラエル人男性の壮絶な証言と家族の悲劇

「491日間、私はガザで飢えていました」元人質イスラエル人男性の壮絶な証言と家族の悲劇

◆解放後にもたらされた絶望

エリ・シャラビ
エリ・シャラビ(写真左)と筆者
 ここから、地下で7人の人質と同じ鎖でつながれ、筆舌に尽くしがたい飢え・拷問・殴打・恥辱が続くことになる。彼だけが当時52歳で、他は25~30歳くらいの若者だった。トイレの際も全員つながれたままで行かねばならず、自分でズボンも下ろせなかった。

「シャワーは6週間に一度だけでした。石鹸も、歯磨き粉もありませんでした」

 人質が飢える目の前で、ハマス看守はこれみよがしにフルコースの食事を平らげたという。ハマスの拷問は解放の瞬間まで続いた。エリ・シャラビはハマス設営の舞台に上がらされ、次のように発言する。

「このたびは、親愛にて偉大なるハマス様のご配慮で帰国できました。やっと妻と娘2人と再会できるので楽しみにしております」

 言うまでもなく茶番だ。セリフの一言一句まで、ハマスが用意したものである。イスラエル側に戻ると、担当者が待っていた。

「エリ、お帰りなさい。お母様と姉のオスナットが待っておられます」

 彼はすぐ異変を悟った。

「待ってくれ。私は妻と娘2人と会いたいんだ」

 車内に沈黙が続いた。

「その点は、お母様と妹さんがお話になります」

 母親の説明は必要なかった。妻・リアンと娘2人・ノイヤとヤヘルは10月7日に惨殺されていた。それぞれ享年48歳、16歳、13歳だった。

 2025年10月7日、エリ・シャラビ著『Hostage』英語版が全世界で発売、同時に大ベストセラーとなっている。そして停戦協定に基づき、兄・ヨッシの遺体が返還され、かつて同じ鎖につながれていた若き盟友アロン・オヘルが解放され、一つの区切りを迎えた。

配信元: 日刊SPA!

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