そして2025年11月10日、服役していた元従業員が出所したことをXで報告。「TwitterがXになってて草」という投稿がバズったこともあり、改めて告発した真意と裁判の背景が注目を集めている。
昨年、仙台地裁で開かれた裁判の全貌とは——。当時、現地で傍聴した「学生傍聴人」の取材記事を改めてお届けする。
(初公開2024年10月30日 記事は取材時の状況)
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2022年7月、宮城県仙台市内で営業していた、飲食チェーン「大阪王将」のフランチャイズ店舗の「仙台中田店(現在は閉店)」で「ナメクジ」などが大量発生していると元従業員の男がSNSに投稿し、「内部告発」として話題になった。
その後、ナメクジが大量発生していた事実はないのにSNSで拡散し、業務を妨害したなどとして、仙台地検は元従業員の圓谷晴臣被告人(25)を偽計業務妨害の罪などで起訴。今年4月から仙台地裁(須田雄一裁判官)で開かれている裁判の判決公判が、10月24日に行われた。
◆判決の結果は…

須田裁判官は、被告人に対して懲役1年(求刑:懲役1年6か月)の実刑判決を言い渡した。須田裁判官は「本件は公益通報を目的とした事案ではなく、本件犯行動機及び経緯に酌むべき事情があるとはいい難い」と断罪。
判決によると、被告人は2022年7月24日、自身が勤務していた大阪王将仙台中田店の店舗内でナメクジが大量に発生していたことや料理にナメクジを混入させたことがないのに、これらが事実かのように虚偽の内容をTwitter(現:X)に投稿して、一時休業に陥らせて業務を妨害するなどした。
◆「大量のナメクジが発生」という事実はなかったと認定
今年4月に開かれた初公判で、検察側は動機について、以前より勤務環境や店長への不満が溜まっており、「会社などへ復讐をするために誇張した事実をTwitterに投稿し、炎上させて業務を妨害させようした」と指摘。被告人は罪自体は認めるとしたが、ナメクジの大量発生は事実だとして起訴内容の一部を否認。弁護側もSNSで告発したことは告発方法の正当性がないとして、偽計業務妨害罪の適用は争わないとしつつも、ナメクジの大量発生は事実だと主張した。
しかし、判決で須田裁判官は「大量のナメクジが発生していたという事実はなかった」と認定。被告人と弁護側の主張を退け、懲役1年の実刑判決を言い渡した。

