「予約採用」と「在学採用」の違いとそれぞれのメリット
ここまで奨学金の基本的な内容を確認してきましたが、奨学金は申し込むタイミングも大きなポイントとなります。大学進学前の高校3年時に申し込む「予約採用」と大学入学後に申し込む「在学採用」があります。それぞれのメリットと注意点を説明します。
予約採用
「予約採用」は入学前に奨学金を受け取れることが分かるため、安心して受験、進学の準備を進めることができます。入学後に奨学金を実際に受け取るかどうか決めることができ、月額の変更なども可能なので、大きなデメリットはありません。入学前に採用されても、入学後にも各種手続きがあるため、その点は覚えておいてください。
在学採用
現在の奨学金の多くは「予約採用」となっているため、奨学金を検討している場合はなるべく予約採用で申し込み手続きをする方がよいでしょう。ただし、在学採用にもメリットがあります。
それは収入などの条件がやや緩和される点です。例えば予約採用だと世帯収入が基準以上で条件から外れて申し込めない場合でも、在学採用であれば申し込めるという場合もあります。
収入が基準以上の世帯でも、住宅ローンや親の介護などで支出が多く家計が厳しいというケースもあるでしょう。そういった場合は在学採用での奨学金を検討してみてください。ただし、申し込み手続きが入学した後になり、必ず採用されるわけではないこと、採用されても予約採用に比べ数ヵ月ほど支給が遅くなる点に注意してください。
奨学金の返済を延滞してしまうとどうなるの?

給付型を除けば奨学金は返済することが大原則となります。「奨学金」も「借金」の一種です。返済が延滞した場合は本人や保証人に督促が届くことになります。延滞が続くと「個人信用情報機関」に登録され、ご自身の信用を低下させてしまいます。
また最終的には強制執行といった法的手段にまで及びますので、奨学金は延滞することなく返済するという意識をしっかりと持っておくことが大切です。
しかし卒業後、「給料が少なくて奨学金の返済までできない」「失業してなかなか再就職できない」といった厳しい状況に直面する可能性もあります。そういう場合のために、返済方法を変更して返済額を軽減したり、一定期間返済を猶予してもらう制度もあります。早めに日本学生支援機構に相談するということを覚えておいてください。
