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高市政権「経済を動かす政治」で支持率82%。リベラル派は「現地妻」発言で“国民感情とのズレ”を露呈

高市政権「経済を動かす政治」で支持率82%。リベラル派は「現地妻」発言で“国民感情とのズレ”を露呈

◆サナエノミクスの課題とは

 経済学者・飯田泰之氏が端的に指摘していたが、高市政権のポイントは成長戦略のために金融財政政策を総動員すること、具体的には成長産業への官民投資にある。デフレからの脱却を掲げたアベノミクスは、金融緩和と財政出動により成長戦略への取っかかりを摑むものだった。サナエノミクスはそれと地続きであるが、政策の力点は明らかにインパクト投資、危機管理投資に変わっている。そして全体の方向性を示したうえで、変化はスピーディに起きている。この点はブレーンを集めて政策を練り上げてきた高市首相らしい動きだ。

 私もタカ派的な主張に与しない姿勢だから余計にそう思うが、政治とカネの問題や過去の高市首相らの言動を批判するだけではリベラルへの支持は広がらない。堂々と政策論で挑む必要がある。

 実際、サナエノミクスには課題も少なくない。国家主導の成長投資も重要だが、では投資の対象は適切なのか。例えば、投資より先に生活に密着する消費減税に取り組むべきではないか、と野党が突けるポイントはある。政権支持率と対照的に自民党の支持率は上がっていない。支持が高市首相個人にとどまるか否かは今後の選挙の行方を左右する。

 求められているのは、高市政権のスピードについていける政党ということになるか。今のリベラルにはあまりに荷が重い課題だが、対応できない限り未来はないだろう。

石戸諭
石戸諭
<文/石戸諭>

【石戸 諭】
ノンフィクションライター。’84年生まれ。大学卒業後、毎日新聞社に入社。その後、BuzzFeed Japanに移籍し、’18年にフリーに。’20年に編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞、’21年にPEPジャーナリズム大賞を受賞。近著に『「嫌われ者」の正体 日本のトリックスター』(新潮新書)
配信元: 日刊SPA!

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